ADVERTISEMENT

裁き (2014):映画短評

裁き (2014)

2017年7月8日公開 116分

裁き
なかざわひでゆき

これは共謀罪の成立した日本社会の未来像でもある

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 民謡を通して権力の不正や横暴を痛烈に批判し、虐げられた民衆の声を代弁する65歳の歌手が、自殺を扇動したという根拠のない罪状で逮捕され、終わりの見えない裁判地獄を経験することとなる。インドの腐敗した司法制度に斬り込んだ作品だが、しかし共謀罪が強引に可決されてしまった今、日本人にとっても決して他人事ではない話だと言えよう。
 警察による威圧的な捜査に証拠の捏造、権力に物申す人間をテロリストと決めつける検察官。案の定というか、彼らが根拠として持ち出すのが共謀罪だ。そうした空気の中で多くの庶民は無関心に陥るか、恐怖で口をつぐんでしまう。そんなインドの現状に、日本の未来像が見えてしまうのだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT