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塚本晋也監督『ほかげ』ベネチア映画祭オリゾンティ部門出品決定 森山未來らと現地参加

趣里と森山未來が共演 ベネチア出品が発表された塚本晋也監督『ほかげ』
趣里と森山未來が共演 ベネチア出品が発表された塚本晋也監督『ほかげ』 - (C)2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

 25日、俳優の趣里森山未來が出演する塚本晋也監督の最新作『ほかげ』(11月25日公開)が、現地時間8月30日~9月9日に開催される、第80回ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門に出品されることが発表された。塚本作品がベネチアに選出されるのは、『斬、』(2018)以来、5年ぶりとなる。

 塚本監督はこれまで、『野火』(2014)、『斬、』が2作連続でコンペティション部門に出品され、コンペ部門の審査員も務めるなど同映画祭との縁は深い。オリゾンティ部門では、『六月の蛇』(2002)でコントロコレンテ部門(現・オリゾンティ部門)の審査員特別大賞、『KOTOKO』(2011)で最高賞にあたるオリゾンティ賞を受賞しており、今回も受賞が期待される。

片腕が動かない謎の男を演じる森山未來(C)2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

 『野火』『斬、』の流れを組む『ほかげ』は、終戦直後、生き延びた人々が抱える痛みと闇を描いた作品。趣里が、戦争で家族をなくし、焼け残った居酒屋で体を売って生きる女性を演じ、森山が片腕が動かない謎の男を演じる。

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 また、追加キャストとして、『ラーゲリより愛を込めて』(2022)や大河ドラマ「青天を衝け」に出演している子役・塚尾桜雅が出演。趣里が演じる“居酒屋の女”と交流を深めていく戦争孤児を演じる。また、PFFグランプリ受賞作品『J005311 』の監督でもある河野宏紀が復員した若い兵士を演じるほか、映画監督・俳優の利重剛大森立嗣が脇を固める。

子役の塚尾桜雅が出演、ベネチアにも参加(C)2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER

 塚本監督と森山、塚尾は公式上映に参加予定。出品に際し、塚本監督は「こうしてまた、最古の映画祭に呼んでいただけること、たいへん光栄に思います。終戦後の片隅に生きる人々の祈りが、ヴェネチアの皆さんにも届くことを願っています」(原文ママ)とコメント。趣里をはじめ、森山、塚尾、河野からも喜びの声が寄せられた。コメント全文は以下の通り。(編集部・入倉功一)

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映画『ほかげ』は11月25日よりユーロスペースほか全国順次公開

塚本晋也監督

こうしてまた、最古の映画祭に呼んでいただけること、たいへん光栄に思います。
オリゾンティ部門は、これまで作った何本もの作品が上映された、馴染みのあるセクション。
肩の力を抜いて、楽しく参加させていただきたいと思います。
そして、終戦後の片隅に生きる人々の祈りが、ヴェネチアの皆さんにも届くことを願っています。

趣里/居酒屋の女役

『ほかげ』がヴェネチアに招待されたというニュース、本当に嬉しく思います。
戦後の日本を舞台にしたこの作品がヴェネチアの皆様の目にどう映るのでしょうか。今からとても楽しみです。

森山未來/片腕の動かない謎の男役

『ほかげ』が評価され、個人的には初めてのヴェネチア映画祭への参加がこの作品であることを心から嬉しく思います。
ヴェネチアの日差しと、島なみの揺らぎを楽しみにしています。

塚尾桜雅/戦争孤児役

今回、塚本監督の映画に参加できて本当に嬉しかったです。趣里さんや未來さん、また凄い俳優さん達とご一緒できてたくさん勉強させて頂きました。
ヴェネチア国際映画祭に参加させて頂くことも嬉しく思います。緊張もしますが楽しみにしています。

河野宏紀/復員した若い兵士役

この映画の本当の意味での悲しみと痛みと塚本監督の優しさが、世界に届きますように。
本当におめでとうございます

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