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『ザ・フラッシュ』首位デビューもまさかの大苦戦…理由は?

全米ボックスオフィス考

首位デビューは死守した『ザ・フラッシュ』
首位デビューは死守した『ザ・フラッシュ』 - (c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (c) & TM DC

 先週末(6月16日~6月18日)の全米ボックスオフィスランキングが発表され、DC映画『ザ・フラッシュ』が首位デビューは死守したものの、興行収入は予想を下回る5,504万3,679ドル(約77億円)と大苦戦している。(数字は Box Office Mojo調べ、1ドル140円計算)

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 この夏期待の大作の一つとして、一度は1億2,000万ドル(約168億円)程度の大ヒットスタートを切るのではと目された同作。結局、公開間近には予想オープニング興収は控えめな7,000万ドル~7,500万ドル(約98億円~105億円)へと修正されたが、それにも届かず。悪名高き2011年のDC映画『グリーン・ランタン』(オープニング興収5,317万4,303ドル・約74億円)とそう変わらない数字となってしまった。

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 苦戦を強いられている理由としては、主演のエズラ・ミラーが相次ぐ逮捕・起訴で世間を騒がせ、現地時間12日にロサンゼルスで行われたワールドプレミア以外の宣伝活動ができなかったこと。エズラのプライベートに関する質問を避けるためか、共演者たちもあまり宣伝活動をしておらず、大作ではおなじみの大企業と組んでの大規模なプロモーションキャンペーンもほとんど実施されなかったことが一因とされる。

 さらに近年のDC映画と比べて女性客をあまり呼び込めなかったこと、DCスタジオ関係者たちが「今までで最高のヒーロー映画の一つ」と絶賛したものの、感想調査を行うシネマスコア社が発表した観客評価は「B」と実際の反応には微妙な乖離があり、口コミでの盛り上がりに欠けることなども理由の一つと考えられている。

 また、DC映画はジェームズ・ガンピーター・サフランをトップに“新生DCユニバース(DCU)”として再スタートを切ることが発表されており、そんな中で『ザ・フラッシュ』を観る必要があるのかという意見も。一方、コアなファンには魅力なものの、過去のバットマン俳優が登場するなど、作品を完璧に楽しむためには過去作を複数履修することが必要なマルチバース作品の敷居の高さ、という部分もあるようだ。なお、『ザ・フラッシュ』のアンディ・ムスキエティ監督は、新生DCUにおいてバットマンとロビンの活躍を描く新作映画『ザ・ブレイブ・アンド・ザ・ボールド(原題) / The Brave and the Bold』でもメガホンを取ることが決まっている。

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 2位には、移民の物語を背景に、火・水・土・風といったエレメント(元素)たちが暮らす世界を描いたディズニー&ピクサー映画『マイ・エレメント』が興収2,960万2,429ドル(約41億4,000万円)で初登場。これは、ピクサー史上2番目に低いオープニング興収だ(1番低かったのは、第1作『トイ・ストーリー』でオープニング興収2,914万617ドル・約40億8,000万円)。コロナ禍で新作ピクサー映画はDisney+(ディズニープラス)公開が定番となり、観客がそれに慣れてしまったことも不振の一因か。ただ、シネマスコアは「A」と観客の満足度は高く、ここから数字を伸ばしていきたいところ。

 新作の中では、ウェス・アンダーソン監督の『アステロイド・シティ』がわずか6館での公開ながら興収84万5,143ドル(約1億2,000万円)を上げて初登場10位になるなど、大健闘した。(編集部・市川遥)

6月16日~6月18日の全米ボックスオフィスランキングは以下の通り。()は先週の順位。
1(初)『ザ・フラッシュ』
2(初)『マイ・エレメント』
3(2)『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース
4(1)『トランスフォーマー/ビースト覚醒
5(3)『リトル・マーメイド
6(初)『ザ・ブラックニング(原題) / The Blackening』
7(4)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3
8(5)『ブギーマン
9(6)『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト
10(初)『アステロイド・シティ』

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