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失神・嘔吐者続出で大ヒット!残虐すぎホラー『テリファー』監督は現実の暴力が苦手

『テリファー 終わらない惨劇』の殺人鬼アート・ザ・クラウン
『テリファー 終わらない惨劇』の殺人鬼アート・ザ・クラウン - (C)2022 DARK AGE CINEMA LLC. ALL RIGHTS RESERVED

 過激で残虐な内容からアメリカで失神者&嘔吐者が続出し、公式SNSが注意喚起したことでも話題を呼んだホラー映画『テリファー 終わらない惨劇』がいよいよ日本公開を迎え、監督のデイミアン・レオーネが、予想外だったというアメリカの反応を振り返りながら、限界を突破した本作の過激描写について公式インタビュー語った。

【画像】ひょうきんだけどヤバすぎな殺人鬼アート・ザ・クラウン

予想外だった報告

 『テリファー』は、一切言葉を発しない白塗りの殺人ピエロ、アート・ザ・クラウンの凶行を描くスラッシャームービー。モラルや良心のかけらもないアートは、あらゆるタブーに挑戦するかのように、最低最悪といえる方法で犠牲者をその手にかけていく。

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 特殊メイクアーティストでもあるレオーネ監督が手掛けたリアルな描写も相まって、本国アメリカでは失神・嘔吐する人が続出したという口コミが拡散。パート2にもかかわらず、度胸試しをするかのように観客が劇場に駆けつけ、製作費25万ドル(約3,375万円)に対して、世界興行収入1,506万5,239ドル(約20億円)を上げるスマッシュヒットとなった。(数字は Box Office Mojo調べ、1ドル135円計算)

 本国でのヒットについて、レオーネ監督は「プレミアのあった週末から、気持ち悪くなったとか、吐いてしまった、気絶したなどの口コミがSNSでバイラルに広がって、観ないといけない一本という形になっていったんです」と笑顔。あまりの騒ぎに宣伝戦略を指摘する声もあったが、全ては自然発生的に広まった、うれしい偶然だったという。

 限界突破の残酷描写については「検閲を受けずにやろうと思っていたので、バイオレンスの表現も今までの限界を突破するよう意識していましたし、作っているときからこれは気持ち悪くなったり、観るのを途中で諦めてしまう観客が出てくるかもとは思っていました」というレオーネ監督。しかし、嘔吐したり失神するまでの反応は予想外だった。「普通のホラーファンが他の検閲が入っている映画を観るような気持ちで行くと、驚くような効果はあったと思います」

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 そんなレオーネ監督だが、現実の暴力を捉えた映像は苦手という意外な一面も。「これを言うと皆驚くのですが、例えば手術の映像とかリアルライフの暴力に僕は耐えられないんです。年を重ねるごとにどんどん無理になっていて、避けるようにしています。フィクションのゴア描写は全然大丈夫なんです。どうやればいいか、メカニズムをわかってるからかもしれません」

声を出さない殺人鬼

セリフを発することなく狂気の犯行を重ねていくアート・ザ・クラウン(C)2022 DARK AGE CINEMA LLC. ALL RIGHTS RESERVED

 長身痩躯の殺人鬼アート・ザ・クラウンは、レオーネ監督が短編作品から一貫して描き続けているキャラクター。ピエロらしいひょうきんな振る舞いを見せた次の瞬間、信じられないほど残酷になるギャップがより恐ろしい。一言も言葉を発さないのは、幼少期から『13日の金曜日』のジェイソンや『ハロウィン』のマイケルなど「声を発さない殺人者の方が好きだった」というレオーネ監督のこだわりだ。

 「原始的でコミュニケーションが取れないのがまた怖さを生んでるように思えて、よりモンスター味が強いと思います。セリフを書かなくていいから脚本家としてはラクですし(笑)。あと、キラークラウンの王様でもある(『IT』の)ペニーワイズとの差別化でもあります。ペニーワイズはジョークを飛ばしまくるけれどアートは一切声を発さないことで差別化を図りました」

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 アートの凶行に加えて、彼に目をつけられるヒロイン、シエナ(ローレン・ラヴェラ)の奮闘も本作の見どころ。クライマックスが近づくにつれ、たくましいヒーローとしての一面を開花させていくシエナは、レオーネ監督が自分自身を投影した「アートよりも一番好きなキャラクター」だという。「ヴィランも好きだけど同じくらいヒーローも大好きで、アートに見合うだけのヒーローがやっと生まれたと思っています」。

新世代を担うホラー作家に

デイミアン・レオーネ監督

 特殊メイク出身で「映画にハマったきっかけは特殊メイクだったんです。7歳のときに(特殊メイクアップアーティスト)トム・サヴィーニのドキュメンタリーをVHSで見て、彼が(ジョージ・A・)ロメロ監督の1970年代や1980年代のゾンビものの特殊メイクをしている姿に、これを終生の仕事にしたいな思いました」というレオーネ監督。

 本作の大ヒットを受けて、『テリファー』第3弾の企画も報じられるなか、さらに「実は自分のヒーローであるサム・ライミの制作会社でオリジナルホラーの企画開発中なんです。まさに今夢が叶っている最中という感じです」と成功を実感しているようだ。

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 好きな日本映画について「ホラーファンなら三池崇史監督の『オーディション』は皆好きだと思います」と語り、巨匠・黒澤明監督を「黒澤監督の血の使い方は壮大でオペラチックで、僕の描く血がワーっと飛び散るようなイメージもちょっとしたオマージュというか、影響を受けた部分だと思います」と敬愛するレオーネ監督は、新作の公開を迎えた日本の観客に「ぜひ映画館に観に来て下さい。なるべく吐いたり気を失わないようにがんばって下さいね(笑)」と呼びかけた。(編集部・入倉功一)

映画『テリファー 終わらない惨劇』はTOHOシネマズ 六本木ヒルズほかにて公開中

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