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オスカー受賞の辻一弘が凱旋帰国 日本の注目の高さに「驚き」

オスカー像とともに凱旋帰国した辻一弘。授賞式は緊張で「ほぼ覚えていない」
オスカー像とともに凱旋帰国した辻一弘。授賞式は緊張で「ほぼ覚えていない」

 第90回アカデミー賞で日本人として初めてメイク・ヘアスタイリング賞を受賞した『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(3月30日公開)の辻一弘が20日、オスカー像とともに凱旋帰国し、都内で記者会見を行った。多くのフラッシュに迎えられ「どうもありがとうございます。わざわざ来ていただいて」とあいさつするも、早々に着席する辻。それでも止まないスチール撮影に「もういいです。慣れていないんで」と照れ笑いし、日本での注目の高さに「驚いています」と語った。

【写真】日本で個展の予定も!オスカー像を手に笑顔の辻

 本作は、第2次世界大戦下のヨーロッパを舞台に、究極の決断を迫られるウィンストン・チャーチルの英国首相就任からダンケルクの戦いまでの27日間を描いた歴史ドラマ。主演のゲイリー・オールドマンも、辻による芸術的特殊メイクと渾身の演技で主演男優賞を初受賞した話題作だ。

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 改めて受賞に至るまでを回顧した辻は、ゲイリーとは映画『PLANET OF THE APES 猿の惑星』(2001)で出会い、顔型を取ったこともあったが、後にゲイリーが降板したことから本作が初タッグ。ゲイリーから「あなたが引き受けてくれたら、私はこの映画に出る」と熱いオファーを受けたことは有名な話だが、2012年に映画界から引退した辻は「映画の仕事を取らないと決心したのに、ここで簡単に取ってしまうと人生を裏切ってしまう」と悩んだという。しかし、メイクアップの巨匠ディック・スミスさんが手がけたリンカーンの特殊メイクを見てこの世界に入った辻は、これまで携わってきたコメディー作品とは違う、リンカーンのような特殊メイクができること、ゲイリー自らのオファーであることから「人生に1回あるかないかの仕事」と本作への参加を決めたという。

辻一弘
早く帰らなきゃ!

 そして、過去には『もしも昨日が選べたら』(2006)、『マッド・ファット・ワイフ』(2007、日本劇場未公開)でもアカデミー賞候補となったが「大した映画じゃなかったから期待していなかったけど、今回は非常に素晴らしい映画だったので期待感も大きかった」とぶっちゃけつつ、授賞式では「すごい緊張していた」ため、「(名前を)呼ばれた瞬間は、とりあえずスピーチを終わらせようと必死で、ほぼ覚えていない」と吐露する辻。とはいえ「以前のものは見た目にメイクとわかるが、今回はメイクに見えないのがすごいと認められたので、そういう結果を出せたのは良かった」と安堵の表情を見せた。

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 また、オスカー像については「他のトロフィーと比べても、歴史に残ってきたデザインなのでプロポーションとか素晴らしいですね」と感心し、「(心で)感じる重みと実際の重み、両方で重たい」としみじみと話していた。

 気になる今後は「メインのフォーカスはファインアート」としつつも、「映画の仕事は、本当にやりたいもので条件が合えばやるかもしれない」と回答。さらに、2020年頃に日本で個展を開催予定だそうで「それに向けて忙しいので、(ロサンゼルスに)早く帰らないといけない」と笑っていた。(取材:錦怜那)

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