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日本の「ヘタウマ」文化を反映した話題の米アニメ映画とは

日本の漫画にめちゃくちゃ詳しい!ダッシュ・ショー監督
日本の漫画にめちゃくちゃ詳しい!ダッシュ・ショー監督

 世界中の映画祭で話題となったアメリカのアニメ映画『マイ・エンタイア・ハイ・スクール・シンキング・イントゥ・ザ・シー(原題) / My Entire High School Sinking into the Sea』について、ダッシュ・ショー監督が4月13日(現地時間)ニューヨークにあるPR会社42ウェストのオフィスでインタビューに応じた。

ジェイソン・シュワルツマン【写真】

 さえない高校生ダッシュ(ジェイソン・シュワルツマン)は、仲間らと共に学校新聞を書いていたが、議論を呼ぶ内容から校長に呼び出される。そんな矢先、海岸付近にあった学校が土砂崩れに遭う。学校が海に沈んでいく中、生徒たちの必死の脱出劇が始まる。第67回ベルリン国際映画祭やトロント国際映画祭などに出品され、話題を呼んだ。

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 父親がコミック好きで、コミックの世界に興味を持ったというショー監督は「父はジャック・カービーの『ファンタスティック・フォー』や、大麻を使用して描写したりするストーナー・コミックスなどのサブジャンルの漫画も読んでいて、コミックに精通していた」とベストな環境下で育ったことを説明し、「その後、日本の漫画がアメリカで激増した。1000ページあるものや、すでにアニメ化されていたものもあった。そのほとんどは、『美少女戦士セーラームーン』や大人の漫画『超神伝説うろつき童子』など、学校が危機に見舞われる作品が多かった」とさまざまな作品を読んできたことを明かした。

 今作のコンセプトについて「僕は手塚治虫の『鉄腕アトム』に影響を受けた。彼はディズニーと競争するつもりで『鉄腕アトム』を手掛けた。ただ日本のテレビプロダクションから資金を得られずに、リミテッド・アニメーション(絵の枚数を削減した)手法で製作した。彼の『鉄腕アトム』は、そんなコミックが見事にアニメ化された作品だ。そこで僕も、今作と同名の短編コミックを、手塚作品のアニメ手法のように独立系の作品として描き、ハリウッドの災害映画のように、学校が海に沈んでいく設定をテーマにした」と説明した。

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 今作は日本のヘタウマ(技巧の下手さが、個性や味となる様を指した言葉)文化をほうふつさせる。「ヘタウマの代表は愛称キング・テリーこと湯村輝彦だろう。彼は典型的なイラストレーションのスタイルを覆そうとした。彼が描いた児童の絵本は、『美』と断定するのに、その芸術の能力が試されているような感じがするが、そんなヘタウマな精神が、今作にも盛り込まれている」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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