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韓国における海外との共同製作支援金は、日本の30倍以上!! 日本市場が縮小した今、韓国映画界の新たな活路となるか!?

第24回東京国際映画祭

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韓国映画界の国際戦略を解説したKOFICのハン・サンヒ氏
韓国映画界の国際戦略を解説したKOFICのハン・サンヒ氏

 26日、第24回東京国際映画祭と並行して開催されている「ユニジャパン エンタテインメントフォーラム2011」内でセミナー「韓国のグローバルファンドとロケーションインセンティブ制度について」が行われ、日韓が共同制作を行うための支援を韓国が積極的に行い、その第1弾作品が高橋伴明監督『道~白磁の人~』であることが報告された。

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 この日のセミナーに出席した韓国映画振興委員会(KOFIC)チームマネージャーのハン・サンヒ氏によると、2010年の韓国における全国の観客動員数は1億4,681万人、一人あたりの映画鑑賞回数は2.9回と減少傾向とのこと。さらに韓流ブームに沸いた2005年に韓国映画の総輸出額の7割を占めていた日本市場の比重も、2007年に27パーセントにまで下がり、一本当たりの輸出価格も下落したという。

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 そんな状況を改善するために、韓国政府が打ち出したのが、海外と映画つくりを協力し合い、雇用や産業をおこそうとする「国際共同製作の活性化」という命題だった。これは、韓国企業が参加する映画、ドラマ、アニメーションなどの映像作品制作に対して、2011年中に1千億ウォン(約75億円)規模の助成を行うこと。KOFICでは、韓国で10日以上撮影される海外資本80パーセント以上の映像作品またはテレビドラマが一定の条件を満たした場合、制作費の25パーセントを現金にて支給するなど、外国との共同制作に対する手厚い支援制度を展開していることを明かした。さらに韓国内に10あるというフィルム・コミッションも海外製作に手厚い援助を行っているのだという。

 そんな韓国のインセンティブによる共同製作作品第一弾の中の一本に選ばれたのが、高橋伴明監督、吉沢悠ペ・スビン共演の映画『道~白磁の人~』だ。本作は、「日本で最初の韓流ファン」と称される浅川巧の生涯を描いた感動作で、『ブラザーフッド』のハプチョン映像テーマパークや、『王の男』のプアン映像テーマパークといった韓国映画で使用されたオープンセットで撮影され、現在はポストプロダクションの最中だという。本作の製作会社CJ PowerCastジェネラルマネージャーのイ・ドンウ氏は「本作は、中身もそうですが、日本と韓国の間にある歴史的な意味、そして日本と韓国の映画人が力を合わせて作ったという経済的な意味でも、意義深い作品だと思っています」と満足げな表情だ。さらに、その製作コストは日本で撮影した場合の半分程度で済んだとイ氏は指摘。「韓国の物価の安さと、円高の為替を生かして、韓国で撮影した方がいいという結論に達しました。これならKOFICの支援を十分に生かせますし、製作費を節約したことで、作品の芸術性をさらに高めることに専念できます」と共同製作のメリットを強調した。日本公開は2012年初夏を予定しているとのこと。

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 日本でも時期を同じくして、文化庁が本年度から文化振興政策「国際共同製作映画支援事業」をスタートした。これは経済産業省の提案を文化庁が受けたものであり、縦割り行政が幅を利かせる日本の役所システムの中においては、画期的な政策となるが、その予算は2億円と、韓国の1千億ウォン(約67億円・1ウォン約0.07円計算)とは桁が一つ違う。この点からも、外国との共同製作に向き合う韓国の本気度がうかがい知れる。(取材・文:壬生智裕)

第24回東京国際映画祭は10月30日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内の各劇場などで開催中

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