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【ネタバレ】実写版「ONE PIECE」徹底解説 原作からの変更点、ラストシーンの意味は?

 Netflixで全世界配信中のドラマシリーズ「ONE PIECE」が幸せな実写化作品となったのは、予算の大きさや優れたCG技術だけが理由ではない。「ONE PIECE」ファンが喜ぶツボをしっかり押さえた上で、実写化ならではの原作オマージュシーン、ドラマのオリジナル要素、ファンが喜ぶ小ネタを解説する。(文・構成:大山くまお)

※本記事はネタバレを含みます。「ONE PIECE」シーズン1鑑賞後にお読みいただくことをおすすめします。

群衆の中に人気キャラ多数!ロジャーの処刑シーン

 最初にファンの目を奪ったのが、第1話の冒頭、ローグタウンで海賊王ゴール・D・ロジャー(マイケル・ドーマン)が処刑されて大海賊時代の始まりを告げるシーンだ。

 まず、ロジャーの処刑にガープ中将(ヴィンセント・リーガン)が立ち会っている。ガープとロジャーは終生のライバルであり、共闘したこともある関係だ。敵対しているが、ロジャーから息子エースを託されるほど信頼されていた。ロジャーの処刑にガープが立ち会うのはファンも納得の改変である。また、ドラマではルフィ(イニャキ・ゴドイ)とガープの関係が物語のひとつの軸になっているので、ガープが冒頭から登場するのは自然だろう。

 ロジャーの処刑を目撃する群衆の中に、若かりし頃のシャンクスとミホークがいる。スモーカーらしき金髪の少年や、ドラゴンと思われるケープを被った人物も映し出されていた。原作第0巻では、ロジャー処刑の日に、シャンクス、ミホーク、ドラゴン、クロコダイル、バギーなどが立ち会っていたことが描かれている。アニメ第970話で描かれた処刑シーンでも、涙を流すシャンクス、ミホーク、ドラゴン、バギーらの姿が登場した。なお、処刑台の上でロジャーが「かゆくなってきた」と言うのは、アニメ第48話でスモーカーが回想として語った、ロジャーの処刑シーンへのオマージュである。

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謎の女性=クロコダイル?

 ファンの間で話題になっているのが、シャンクスの前にいたオールバックでロングヘアの女性。この女性が、後に登場するバロックワークスのボス・クロコダイルなのではと考察されている。以前から、クロコダイルが女性だったという説が根強くあり、この女性が性別を変えられる前のクロコダイルではないかとファンの間で考察が白熱している。その女性もクロコダイルも、ピアスは右耳につけている。原作第0巻でロジャーの処刑を見つめるクロコダイルは後ろ姿だけで、顔は描かれていない。

 このロジャーの処刑シーンを見ると、ドラマ版は単に原作を実写化した作品ではなく、これまで原作やアニメなどで描かれた要素を詰め込んで、新たに語り直している作品だということがよくわかる。だからこそ、「ONE PIECE」ファンはこの場面に歓喜したのだ。

ドラマで変更された点

 ドラマは、原作にあったエピソードを簡略化してスピーディーな展開にしている。たとえば、ウソップ海賊団クロネコ海賊団のジャンゴが登場しないのは、その一環だろう。海牛モームは戦いには登場しなかったが、第1話冒頭の海図にチラッと顔を出している。

 メリーが死亡してしまうところ、クロネコ海賊団のシャムが女性になっているところなどが、ドラマオリジナル要素である。コビメッポことコビー(モーガン・デイヴィス)&ヘルメッポ(エイダン・スコット)の成長に、より焦点が当てられていたのも印象的だった。孫のルフィを追いかけるガープ、息子のように可愛がっていたサンジ(タズ・スカイラー)を送り出すゼフ(クレイグ・フェアブラス)を対比させているのも、ドラマならではの描写だ。漂流したゼフがサンジに食料をすべて与えて自分の足を食べる場面は、アニメでは描かれなかったが、ドラマでは原作どおりに描かれている。

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コアなキャラクターが実写化

 ファンが喜ぶコアなキャラクターとして話題になったのが、第1話に登場したバロックワークスのMr.7だ。ゾロ(新田真剣佑)を勧誘しようとして断られ、戦いになって惨殺されてしまうが、原作やアニメに登場するMr.7とは姿形がまったく異なる。これは、バロックワークスのMr.1ことダズ・ボーネスが、ゾロ勧誘に失敗したと語っていた先代のMr.7である。本編には登場しないが、原作漫画の質問コーナー「SBS」で落書きのような姿が描かれていた。ドラマではその落書き(?)が忠実に実写化されたということになる。製作総指揮のスティーヴン・マエダは、制作に際して「SBS」もチェックしていたことを明かしている。

 ルフィがコビーとともにシェルズタウンで手配書を見るシーンでは、バギー(ジェフ・ウォード)やアルビダ(イリア・イソレリス・パウリーノ)に混じって、ベラミーやフォクシー、キャベンディッシュの手配書も貼られていた。スタッフのお遊びなのか、続編への伏線なのかはまだわからない。

「ビンクスの酒」も!懐かしの音楽

 第1話でルフィとシャンクス(ピーター・ガディオット)が話しているマキノの店で流れているのは、海賊たちの伝統的な楽曲「ビンクスの酒」。作詞は原作者・尾田栄一郎が自ら担当しているが、「ビンクス」が何を意味するかは不明である。

 きただにひろしが歌ったアニメ最初の主題歌「ウィーアー!」は劇伴バージョンとして、第4話のゴーイングメリー号出航シーン、第8話のラストなどで流れていた。ファンは盛り上がらざるを得ない粋な使い方である。

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シーズン2への伏線?ラストシーンに映った人物

 「偉大なる航路(グランドライン)」へ漕ぎ出したところで終わるシーズン1は、まだ序曲に過ぎない。最終話のラスト、後ろ姿だけ登場するのは、モクモクの実の能力者である海軍中将・スモーカーだ。「スモやん」の愛称で知られるスモーカーは、原作ではアーロンを倒した麦わらの一味が次に訪れる町・ローグタウンで初登場する。

 Netflixは15日、「ONE PIECE」シーズン2の制作を正式に発表した。エグゼクティブ・プロデューサーのマーティ・アダルステイン(トゥモロースタジオCEO)は、すでにシーズン2の脚本が完成していることをVarietyに明かしている。尾田が続編を発表する映像では、後に船医となるトニートニー・チョッパーの実写版参戦も予告されている。続編での新たな展開を予想しつつ、大いに期待して待ちたい。

Netflixシリーズ「ONE PIECE」独占配信中

(C)尾田栄一郎/集英社

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