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『RRR』だけじゃない!おすすめインド映画10選

 インド映画『RRR』が、興行収入20億円超えと日本でロングランの大ヒットを記録。かつてないほどインド映画が注目されているいま、熱気と情熱、愛に溢れたインド映画10作を独断でオススメします。(編集部・梅山富美子)

『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』(2007)

 1970年代のボンベイ(現ムンバイ)を舞台に、映画スターを夢見る青年オームと、スター女優のシャンティの数奇な運命の物語が展開します。シャンティを一途に想うオームですが、実はシャンティはプロデューサーと極秘で結婚して妊娠中。そんなある日、スタジオセットで火災が起こり、オームは彼女を助けようと炎の中に飛び込みます。

 オーム役を“キング・オブ・ボリウッド”と称されるシャー・ルク・カーン、シャンティ役を美しき新人ディーピカー・パードゥコーンが担いました。前半と後半で、まるで違う人物を演じる2人の演技の幅に驚かされること間違いありません。

 映画のスタジオが主な舞台となり、歌い踊るシーンは豪華絢爛。煌びやかで眼福です。また、映画賞の授賞式のアフターパーティーのシーンにはスターが多数登場するので、見どころの一つとなっています。

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『きっと、うまくいく』(2009)

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『きっと、うまくいく』 - (C) Reliance Big Pictures

 超難関大学の“3バカトリオ”ファルハーン、ラジュー、ランチョーの青春時代と、彼らの10年後が交差しながら描かれます。インドのし烈な学歴競争のなか、エリートの輩出を目指す学長に対して、ランチョーは型破りなことばかり。しかし、ランチョーに影響され、周囲の人々の心が大きく変化していきます。

 大学卒業後、ランチョーは行方知れずに。「ランチョーはどこにいる? 生きている?」というミステリーの要素もあり、物語にぐいぐい引き込まれること必至。ランチョーの生き方、彼らが歌う「アール・イーズ・ウェル(AAL IZZ WELL)」に、本当の幸せとは何かと考えさせられる1本です。

 ランチョー役のアーミル・カーンは、インドの大スター。『PK ピーケイ』『ダンガル きっと、つよくなる』などで日本でも知られ、この後紹介する『シークレット・スーパースター』にも出演しています。

『女神は二度微笑む』(2012)

 本作は、“歌って踊る陽気な”インド映画のイメージを覆すような、緊迫した空気が漂う本格サスペンスです。消息を絶った夫アルナブを捜しに、妊娠中の身でロンドンからコルカタにやってくるのが主人公ヴィディヤ。しかし、夫について知る人はおらず……ヴィディヤの孤独な奮闘が描かれます。

 ヴィディヤは、女性一人で捜索を進めますが、警察などで相手にされず。ヴィディヤの静かな怒りがスクリーンからひしひしと伝わってきます。ヴィディヤの視点で物語は進み、伏線が張り巡らされたラストの展開は「そう来たか!」と思わずにはいられません。

 また、映画史に残る不気味な殺し屋ボブのインパクトは大。一見どこにでもいそうな中年男性のボブが、迷いもなく仕事をこなしていく姿は恐怖を煽ります。本作を観たあとは、駅のホームで先頭に立つのはしばらく避けたくなりそうです。

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『マダム・イン・ニューヨーク』(2012)

 英語ができず子どもから軽んじられることもある主婦シャシが、自分が自身の人生の主人公であることに気づく物語です。シャシは、親戚の結婚式のため単身で米ニューヨークに行くことになり、そこで英会話学校に通い始めます。ニューヨークでの生活、学校での先生や生徒たちとの出会いを経て、彼女は自分らしく生きるようになります。

 ニューヨークで生き生きとし始めるシャシの姿には、「いつでもどんな時でも勇気をもって、やりたいことをやろう」とそっと背中を押されたような気分になります。家族や周囲の人へ温かい言葉を贈りたくなる作品です。

 シャシを演じたのは、インドの国民的女優シュリデヴィ。2018年に惜しくも54歳の若さで亡くなりました。

『ブラフマーストラ』(2022)

 インド古代史に根差す神話などをベースにしたアクションファンタジーである本作は、身寄りのない青年シヴァが、自らの運命に向き合う物語。エネルギーを宿す武器“アストラ”を駆使した超人的な闘いは迫力があり、ハリウッド大作に引けを取らない映像美は圧巻です。

 なお、シヴァ役のランビール・カプール(『バルフィ! 人生に唄えば』)と、ヒロイン役のアーリヤー・バット(『RRR』)は、本作の共演を経て結婚。シャー・ルク・カーンやアミターブ・バッチャンが出演するなど、キャストも豪華です。

 本作は、3部作になる予定とのことで、今後の展開に期待が高まります。

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『パッドマン 5億人の女性を救った男』(2018)

 タイトルの“パッド”とは、生理用品のこと。主人公のラクシュミは、新妻のガヤトリが不衛生な布を使っていることを知り、清潔なナプキンを作ろうとします。周囲の理解を得ることが難しくても奮闘する主人公を描く、実話を基にした感動ドラマです。

 ラクシュミのナプキン作りに突き進むエネルギーと情熱は、愛する妻への思いがあってこそ。女性が使うナプキンを……という周囲の冷たい目にも心折れず、他人の言葉に惑わされないラクシュミの強さが胸を打ちます。

『シークレット・スーパースター』(2017)

 歌の才能がある少女インシアが、YouTubeなどさまざまな手段を駆使して歌手という夢に向かって突き進む姿を描くサクセスストーリーです。父親の反対もあり夢を断たれそうになるインシアの前に、落ち目の音楽プロデューサー、シャクティが現れます。

 インシア、彼女の音楽活動に反対する父親、娘と夫との板挟みの母親、と家族の物語を軸にシリアスな展開となりますが、アーミル・カーン(『きっと、うまくいく』)演じるシャクティの登場から、物語は鮮やかに華やかになっていきます。

 音楽を禁止されたインシアのフラストレーションの溜まりっぷりは見もの。窓からとんでもないものを投げます。

『響け!情熱のムリダンガム』(2018)

 南インド伝統音楽(カルナータカ音楽)の両面太鼓ムリダンガムを題材にした情熱の物語。ムリダンガム職人の息子ピーターは、巨匠の演奏に魅せられ、奏者を志します。しかし、カースト制度による差別、伝統芸能の承継問題などさまざまな壁が立ちはだかります。

 東京・荒川区の南インド料理店なんどりのマダムが作品にほれ込み、配給に至ったという経緯がある本作。とにかくムリダンガムの演奏シーンがしびれるほどカッコよく、どんな障壁をも越えるのは“情熱”なのだと感じさせる作品です。

 『スラムドッグ$ミリオネア』のA・R・ラフマーンが手掛けた音楽に酔いしれ、ピーターがインド各地を巡るシーンは絶景ばかり。これまでにない音楽とインドの景色を味わうことができます。

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『ガリーボーイ』(2018)

 インドのヒップホップアーティスト、Naezy(ネィズィー)とDivine(ディヴァイン)の半生を基にした物語です。スラム街生まれの大学生ムラドは、ラップと出会い、才能を開花させ、やがて人生逆転を目指し、フリースタイルのラップ大会で優勝を狙います。

 貧しい家族、裕福な彼女、学生生活……日々の鬱屈とした感情をムラドがラップに昇華させる姿は鳥肌モノ。ラップの知識がなくても、ムラドが観衆を魅了し、盛り上げる様子がひしひしと伝わってきます。

 なお、『RRR』『ブラフマーストラ』のアーリヤー・バット演じるヒロイン・サフィナが強烈な印象を残します。

『バジュランギおじさんと、小さな迷子』(2015)

 インドに住むヒンドゥー教徒の青年パワンと、迷子の女の子シャヒーダーの旅が奇跡を起こすハートフルストーリーです。声が出ないシャヒーダーを預かることになった正直者のパワンは、シャヒーダーがパキスタンのイスラム教徒だと知りますが、それでも国境を越えて親元に送り届けようとします。

 パスポートもビザもないシャヒーダーを家に帰すと神に誓ったパワン。対立する国や宗教の現実に直面しながらも、諦めず前を向き続けます。2人の純粋な気持ちに突き動かされ、物語後半にかけては涙なしでは観ることができないほどです。

 10作品を紹介しましたが、観たことがある作品はありましたか? 最高なインド映画との出会い、極上の映画体験を味わうために、映画館に足を運んでみたり過去の作品を配信で鑑賞してみてください。

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