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【ネタバレ】「オビ=ワン・ケノービ」最終話レビュー&解説 こんなバトルが見たかった!

 あっという間にやってきた最終話、オビ=ワン・ケノービ(ユアン・マクレガー)たちはダース・ベイダー(ヘイデン・クリステンセン)の追跡から逃れることができるのか。尋問官リーヴァ(モーゼス・イングラム)はルーク・スカイウォーカー(グラント・フィーリー)のいる惑星タトゥイーンで何をしようとするのか。そして、ストーリーは結末を迎えることができるのか。(文・平沢薫)

※この記事は「オビ=ワン・ケノービ」のネタバレを含みます。最終話までの視聴後にお読みいただくことをおすすめします。

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オビ=ワンとベイダーが再戦!

画像は5話より。前回はオビ=ワンとアナキンの回想シーンが描かれたが、今回は本気のオビ=ワンがベイダーと戦う!

 ファンが待ち望んでいたオビ=ワンとベイダーの再戦が実現。しかし、今回のオビ=ワンは、打ちのめされていた第3話でのバトルとはまるで別人で、圧倒的な強さを見せつける。ライトセーバーの構えも、彼がもっとも得意とするソレス。新三部作やアニメ「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」でおなじみの、弓を引くような構えを見せる。セーバーの色も、第3話は暗い青色だったが、今回は新三部作のころのように明るい青に見える。また、フォースで岩石を投げつける攻撃も披露。空中で静止する岩石群を背にするオビ=ワンの勇姿は必見だ。

 このシーンは、ベイダーにも見せ場が。オビ=ワンに切り裂かれたヘルメットの隙間から変形した顔がのぞき、声もアナキンを演じたヘイデン・クリステンセンのものに変わる。この声で「アナキン・スカイウォーカーを殺したのは お前ではない」「私だ」と彼の心情が語られる演出も感動的だ。ヘイデンの配役はこのシーンのためだったのかと納得。ベイダーのヘルメットは、アニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」でもアソーカの攻撃で半壊していたが、実写で映し出されたアナキンの表情の迫力は一味違う。このバトルの激しさ、緊迫感に、大満足。

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生じた謎に対する答え

第4話のレイア。エピソード4で今回の事件に触れなかった理由も推測できるようになった

 今回は、これまでのサーガで謎とされてきた問題への答えも描かれた。その一つは『スター・ウォーズ/新たなる希望』(エピソード4)で、オビ=ワン(アレック・ギネス)がルーク(マーク・ハミル)に、彼の父親はベイダーに殺されたと言った理由。もちろん、比喩的な表現として問題ないのだが、今回、ベイダーがアナキン・スカイウォーカーを殺したのは自分だと語ったことで、エピソード4におけるオビ=ワンの言葉は、この経験を踏まえたものだったとも考えられるようになった。

 もう一つ、謎とされてきたのは、エピソード4でベイダーに「お前の弟子はついに道を極めたぞ」と言われたオビ=ワンが、「悪の道をな、ダース(Only a master of evil、Darth)」(字幕では"ダース"は省略されている)と呼び掛けた理由。“ダース”は名前ではなく、ダース・モールやダース・シディアスのようなシスの称号なので、この呼び掛けは違和感があるとされてきた。しかし今回は、ベイダーを倒してその場を去るオビ=ワンが「我が友は死んだようだ」「さらばだダース」と呼びかける。すると、オビ=ワンがアナキンがもはやシスになってしまったことを強調するために、あえてダースと呼んだように見える。エピソード4の呼びかけが、この戦いを踏まえたものだったように思えてくるのだ。

 また、このシリーズが誕生したことで、エピソード4の冒頭でオビ=ワンに助けを求めるレイア(キャリー・フィッシャー)が、この件に触れていないのはおかしいと言われていたが、今回、オビ=ワンはレイアと別れる際に「だが用心せねば 人に知られたら お互い危険だ」と伝える。レイアがエピソード4でこの件に触れなかったのは、このオビ=ワンの言葉に従っていたからだと思える。

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今回も名セリフあり

オーウェンのルークへの思いもより明確になった(第1話より)

 そして、今回もおなじみの名セリフが登場した。オビ=ワンがルーク少年に初めて話しかける際に言う「やあ(Hello、there)」は、彼のお約束のセリフ。エピソード4での初登場時、ルークを助けた時に岩陰に隠れているR2-D2に「やあ」。『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』でグリーヴァス将軍の前に飛び降りた時も言っていた。

 また、ルーク少年がオーウェン(ジョエル・エドガートン)に隠れているように言われた時に言う「怖くない」は、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(エピソード5)のルークが、ヨーダにお前に修行は無理だと言われて言う「恐れません」と同じ「I'm not afraid」だ。ちなみに今回、オーウェンがルークについて「僕の子だ」と発言。エピソード4だけではよくわからなかった、彼のルークへの愛情が明確になった。

 楽しいオマケとして、ダース・シディアスと、霊体のクワイ=ガン・ジン(リーアム・ニーソン)が登場したが、このあたりは想定内か。また、オビ=ワンがそっとルークのために家の外に置いたのに、第2話でオーウェンに返されてしまったオモチャのスピーダー、T-16スカイホッパーも、最後はルークに手渡されて一安心。この時のルークとの会話は描かれなかったが、より想像が膨らむ。その後、このおもちゃはルークのお気に入りになったのだろう、エピソード4でルークがR2-D2を整備する前に、このおもちゃで遊んでいる。

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最後の光景が希望に満ちている

 ラストには、光と希望あふれる光景が待っていた。オビ=ワンがこれまでの暮らしを捨て、ルーク少年への固執も捨て、新たな生き方を始めるために旅立つとき、彼の周囲は光に満ちている。しかも、希望を取り戻したのは彼だけではない。尋問官リーヴァも、そしてレイア(ヴィヴィアン・ライラ・ブレア)も、ここから新たな道を歩み始める。そんな美しいエンディングに、胸を熱くしたファンも多いはずだ。

 それだけでなく、本作が、アナキンが真の意味でダース・ベイダーに変貌する物語でもあった。アナキンはオビ=ワンへの思いを断ち切り、ホログラムのダース・シディアス(イアン・マクダーミド)をマスターと呼ぶ。そして独り玉座に座ると、このシリーズで初めて、あの「ダース・ベイダーのテーマ」が静かに響く。この時カメラが引いていくが、彼の周囲に誰もおらず、孤独を際立たせる。これこそ、アナキンがダース・ベイダーになった瞬間だろう。『スター・ウォーズ』の世界は、光の闇のバランスで成り立っている。光が強くなれば、闇も濃くなるのだ。

 終わってみるとあっという間だった全6話。オビ=ワンがジェダイとしての誇りを取り戻し、新たに生きる場所へと動き始める、ラストシーンの美しさが心に残る。現時点では、本作のシーズン2についての公式発表はなかったが、ダース・ベイダーを演じたヘイデンは、ドラマ「アソーカ(原題) / Ahsoka」にも登場することが決まっているという。オビ=ワンとも、またどこかで再会できるのではないか。そんな希望を抱いてしまうのだが。

「オビ=ワン・ケノービ」はディズニープラスにて独占配信中
(C)2022 Lucasfilm Ltd.

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