シネマトゥデイが選ぶ映画ベスト20(2017年)

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 気づけばあっという間にもう年末! 今年もあんな映画やこんな映画がありました。そんな2017年に日本で公開されたすべての映画から、シネマトゥデイ編集部がランキングを決定! 激戦を勝ち抜いたベスト20作品とは……!?

第1位 『ドリーム』

 北米では『ラ・ラ・ランド』の興収を上回り、今年のアカデミー賞作品賞ノミネート作で最大のヒットを記録した実話ヒューマンドラマ。人種差別法が存在した時代にNASAの宇宙計画に知られざる貢献をした黒人女性3人を描く。ユーモアが光る主要キャスト3人の演技は抜群で、ともすれば硬くなりがちな題材が娯楽作として仕上がっている。最大の魅力は、理不尽な状況にもめげずに道なき道を切り開いた彼女たちの驚くべき努力と偉業。後世に残す意義のある映画だ。

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第2位 『メッセージ』

 知的生命体とのファーストコンタクトをテッド・チャンの「あなたの人生の物語」を基に描いたSFドラマ。知的生命体の言語を解読する過程は知的好奇心をくすぐる。映像化不可能といわれた原作に巧みなアレンジを加えた脚色や、哲学的な原作のテーマを映画ならではの独創的な表現で見せる映像、そしてエイミー・アダムスの演技もすばらしい。SF映画史に残る一本。

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第3位 『ラ・ラ・ランド』

 往年のミュージカル映画の名作と、夢追い人が集う街ロサンゼルスにオマージュを捧げた本作。幻想的なセットとカット割りで見せていくラストシークエンスはあまりに完璧で、楽しいのに切なくて涙が止まらない。「興収が稼げないから」とスタジオが長年尻込みしてきたオリジナルミュージカルの制作に自分の考えを曲げることなく取り組み、大ヒットに導いた若きデイミアン・チャゼル監督の功績は大きい。映画界にとっても計り知れない意味を持った作品といえる。

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第4位 『彼女がその名を知らない鳥たち』

 イヤミスの女王・沼田まほかるの原作小説を実写化し、生理的な嫌悪感と尊い純愛の美しさを見事に表現したサスペンス。蒼井優阿部サダヲら役者として唯一無二のキャラクターのポテンシャルをさらに引き出した。前半に積み重ねられた嫌悪感を終盤にかけてファンタジックな画で相殺する白石和彌監督の演出はバランスがよくライトな層も最後まで楽しめる仕上がりだ。邦画の底力を感じる一本。

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第5位 『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

 心に深い傷を抱えた孤独な男性が再生するまでを描き、第89回アカデミー賞で主演男優賞と脚本賞を受賞した人間ドラマ。その評価の通り、魅力はやはり、普通の人たちの普通の生活をリアルに描く秀逸な脚本と主演ケイシー・アフレックの名演。トラウマゆえに前に進めなくなっていた自分の人生を、ほんの少しだけ踏み出した主人公の姿は深い余韻を残す。人間と人間が持つ逞しさを信じたくなる傑作。

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第6位 『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』

 日本のおとぎ話をモデルに、3秒の映像制作に1週間も要するストップモーションで日本人の精神性の表現に挑んだアニメ。今年も話題・作品性でいえばゴッホポケモンメアリFateミニオン等充実したアニメ年だった。しかし今回は絵のクオリティー、ストーリー、ロマンとバランスのとれたKUBOに軍配を。手描きのレイアウトまで緻密に計算された極上のアニメは日本への強烈な愛を感じる。

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第7位 『ゲット・アウト』

 低予算ながら全米初登場1位の大ヒットを記録した人種差別がテーマの非凡スリラー。恋人である白人の彼女の実家を訪れた黒人青年を襲う違和感が狂気のような恐怖に変わっていく。人種差別という根深い問題をテーマにしながらも緊張と緩和で笑いを生み、エンターテインメント作品として仕上っており、まったく展開が読めない脚本とキャラクター設定も緻密。人気コメディアン、ジョーダン・ピール監督が欲深い人間の怖さをブラックなユーモアを交え衝撃的な映像で見せている。

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第8位 『ベイビー・ドライバー』

 犯罪組織の“逃がし屋”として活躍する若き天才ドライバーの姿をロックミュージックの数々と共に描いたカーチェイス映画。大音量で流れる「ベルボトムズ」のリズムと完璧にシンクロしたカーチェイスが繰り広げられるオープニングシークエンスから、30もの名曲がほとんど途切れることなく流れ、それらが登場人物とシーンを動かしていくさまは、えも言われぬ爽快感。音楽愛にあふれたエドガー・ライト監督が生み出した前代未聞のロマンチックな快作。

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第9位 『ダンケルク』

 芸術性と商業性を兼ね備えた世界トップの映画監督、クリストファー・ノーランの最新作。キャリアにおいて初めて実話の映画化に挑み、第2次世界大戦中にフランスの港町ダンケルクで行われた救出作戦を、陸・海・空の3つの視点から描き出した。「戦場にいるような体験を提供する」というノーラン監督の狙い通り、CGにたよらず、実際の戦闘機や船舶などを用いた重厚な画は観客を映画に没入させた。新しい映画の可能性を追い求める監督だからこそ実現できた完璧な一本。

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第10位 『ムーンライト』

 黒人少年の成長物語を3つの時代にフォーカスし、それぞれの時代で別の俳優が演じながらも、目の動きなど特徴をつかんだキャスティングが功を奏し、“一人の人間”の物語として違和感なく見せる。セクシュアルマイノリティーだけでなく、人種、格差、麻薬など今のアメリカの問題を描き出したということも意義深い。同性愛者のラブストーリーとしてアカデミー賞史上初の作品賞に輝いた。

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第11位 『LOGAN/ローガン』

 『X-MEN』シリーズのウルヴァリン最後の死闘を描くエンターテインメント大作。歴代シリーズとは一線を画し、単なるアクション作品に留まらないエモーショナルな作風、さらにあえてR指定にした製作陣の英断を評価。ボロボロに傷ついたヒーローの悲哀とカタルシスを、見事に演じ切ったヒュー・ジャックマンの最後の雄姿は、観客の共感指数も抜群だ。まさに“泣けるマーベル”としての新境地。

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第12位 『美女と野獣』

 ディズニーの不朽の名作アニメ『美女と野獣』を実写として現代によみがえらせ、2017年国内映画興行収入ナンバーワンに輝いた。ディズニーアニメの世界観を壊すことなく、文字通り完全に実写化することに成功した。自立した強い女性の象徴として、エマ・ワトソンの演じたヒロインは当たり役。オリジナル版の大御所作曲家アラン・メンケンが手掛けた新曲の存在は、アニメ版の世界観をそのまま実写に引き継ぐことができた成功の要因の一つといえる。キャラクターや物語に新解釈を加えた点も今の世代に受け入れられた。

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第13位 『沈黙 -サイレンス-』

 遠藤周作の小説「沈黙」を巨匠マーティン・スコセッシが映画化。主演のアンドリュー・ガーフィールドらハリウッドスターと対等の演技力で渡り合った、窪塚洋介浅野忠信イッセー尾形塚本晋也小松菜奈加瀬亮ら日本人キャストの鬼気迫る演技は必見。ハリウッドと日本のコラボが成功した画期的な作品。「信仰」や「信念」の在り方を、本作の舞台である17世紀だけでなく普遍的なテーマとして考えさせられる。

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第14位 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

 『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に続く新3部作の第2弾。予想を覆す展開の連続、シリーズお決まりのルールを破りつつも原点にも立ち戻った物語、同時に多くの観客を楽しませることに成功したライアン・ジョンソン監督のチャレンジを評価。プロットや構成に問題ありの声など賛否両論が巻き起こったが、大きな話題をもたらした作品であることに間違いない。

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第15位 『ブレードランナー 2049』

 映画史に残るSF『ブレードランナー』の続編で、30年後の2049年を舞台に、違法レプリカント(人造人間)を処分する専門捜査官ブレードランナーの任務に就く男が巨大な陰謀の真相に迫る。ライアン・ゴズリングと、前作から続投のハリソン・フォードが新旧のブレードランナーを演じたことも話題に。映画の中で描かれる未来描写を一変させた画期的だった前作と比べても遜色のない美しいビジュアル、前作のテーマをさらに追究した感動的な脚本、ヒロインたちを含むキャストたちの演技、どれもが高いクオリティーを誇る、伝説的な作品の続編として完璧な一本。

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第16位 『帝一の國』

 古屋兎丸の人気漫画を実写化。高校を舞台に、生徒会長の座をめぐって起こる激しい争いをスリリングかつ笑い満載に描いた。映画という限られた枠で、原作に魅力を上乗せする練られたストーリー構成と演出。何より、主演の菅田将暉を筆頭に、野村周平竹内涼真間宮祥太朗志尊淳千葉雄大とそろいにそろった注目の若手たちが誰一人埋もれず、それぞれの持ち味と演技力で物語をグイグイ引っ張っていった点を評価したい。

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第17位 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』

 ノリに乗っているマーベル・シネマティック・ユニバースの異色ヒーロー集団ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーは続編になってもその勢いは衰えず。とんでもないクリーチャーと必死に戦う仲間をよそに、ベビー・グルートがダンスに夢中になりまくるオープニングは何度観てもエンターテインメントとして最高の出来。笑いと選曲のセンスが抜群なだけでなく、血のつながりがなくても築いていける“家族”の物語として、涙腺も刺激。これぞ、笑って泣ける超大作。

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第18位 『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』

 ホラー小説の大家スティーヴン・キングの代表作を実写映画化。1980年代のアメリカを舞台に、子供の命を狙う怪異に立ち向かう少年少女たちを描く。殺人ピエロが巻き起こす、身の毛がよだつ恐怖描写に加え、心に眠るトラウマに立ち向かう子供たちの、少年時代との決別を描くジュブナイル物としても高く支持する声が挙がった。

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第19位 『わたしは、ダニエル・ブレイク』

 社会の底辺に生きる人々にスポットを当てた秀作を多く生み出してきたイギリスの名匠ケン・ローチが、カンヌ国際映画祭で2度目のパルム・ドール(最高賞)に輝いた感動作。人を守るはずのルールが苦しめるものでしかないという理不尽さは万国共通。多くの共感を誘うテーマ、緻密に練られたキャラクターは熟練の成せる業。

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第20位 『はじまりへの旅』

 『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルン役で女子をとりこにしたヴィゴ・モーテンセンが、独自の哲学と教育方針のもと電気もガスも使わない自給自足の生活で6人の子供を育てる過激な父親を演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたロードムービー。母を弔うために森を出た一家の冒険を描いた予測不可能なストーリーが、ハートウオーミングでありながら痛快に描かれている。

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