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【コンペティション部門】これぞ生きざま!ヒロイン映画~夢、恋愛、そして人生……彼女たちの生きざまが胸を打つ

第30回東京国際映画祭

日本からは『最低。』『勝手にふるえてろ』の2本がエントリーしたほか、フランスの人気俳優の監督作や出演作、ジョージアやブルガリアといったなかなかお目にかからないヨーロッパ諸国の作品に、中国やマレーシアなどのアジア作品まで、選りすぐりの15本をご紹介。今年も本部門のプログラミングディレクター・矢田部吉彦氏が全作品の注目ポイントをズバリ解説します!(取材・文:岩永めぐみ/編集部 浅野麗)

<観客賞>『勝手にふるえてろ』

製作国:日本
監督:大九明子
出演:松岡茉優渡辺大知北村匠海

【ストーリー】 初恋相手のイチを忘れられない会社員ヨシカは、ある日職場の同期のニから交際を申し込まれる。人生初の告白に舞い上がるも気乗りしない彼女は、同窓会を計画しイチと再会。脳内片思いと現実の恋愛とのはざまで悩む。

【矢田部氏のここに注目!】 綿矢りささんの原作はもちろん素敵で、そして主演の松岡茉優さんは、ご本人に怒られるかもしれませんが“化け物”だなと思いました。それほど松岡さんの魅力は圧倒的で鮮烈です。監督の大九明子さんのキャリアの中でも重要な作品になりそうです。『最低。』と並べれば今の日本映画の幅広さをわかってもらえるし、今年の日本映画の最強の2本だと思います。

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『最低。』

製作国:日本
監督:瀬々敬久
出演:森口彩乃佐々木心音山田愛奈

【ストーリー】 平凡な日常から逃れたい主婦・美穂、AV女優として活躍中の専門学生・彩乃、奔放な母に振り回される女子高生・あやこ。境遇も性格も異なる彼女たちの運命が、ある出来事をきっかけに動き出す。

【矢田部氏のここに注目!】 ピンク映画出身で、インディペンデント映画からメジャーな作品まで、幅広く手掛ける瀬々敬久監督の傑作です。アダルトビデオ業界を舞台にした3人の女性の三者三様の生き方が描かれます。アダルトビデオ、そしてセックスというチャレンジングなテーマなので過激かと思われがちですが、しっかりと人間の本質を洞察している。その両方ができるのは瀬々監督しかいないと思います。

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<最優秀女優賞>アデリーヌ・デルミー『マリリンヌ』

マリリンヌ

製作国:フランス
監督:ギョーム・ガリエンヌ
出演:アデリーヌ・デルミーヴァネッサ・パラディ

【ストーリー】 女優志願のマリリンヌは、オーディションに通り映画出演が決まるが、無理難題を押し付け、執拗にテイクを繰り返す理不尽な監督に我慢も限界。つまずきながらも女優の道を進む彼女の夢は叶うのか?

【矢田部氏のここに注目!】 主演のアデリーヌ・デルミーの魅力に尽きる作品です。彼女は舞台出身で映画の主演は初めてということで、それが女優になろうという女性をとてもリアルに見せることにつながっています。また、監督のギョーム・ガリエンヌはフランスの売れっ子俳優ですから、役者を知り抜いた監督が女優人生の入り口を描くという点でも見応えある作品になっているといえます。

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『スヴェタ』

製作国:カザフスタン
監督:ジャンナ・ イサバエヴァ
出演:ラウラ・コロリョヴァロマン・リスツォフ

【ストーリー】 ろうあ者が勤務する工場で働くスヴェタは、突然リストラの対象とされてしまう。家のローンに苦しむ彼女は、神をも恐れぬ行動に出るのだが……。果たして彼女は悪女なのか、それともサバイバーなのか。

【矢田部氏のここに注目!】 これほど強烈な悪女は久しぶりに観ました。しかし、このスヴェタという女性はとてもしんどい状況を生きていて、彼女が悪女なのかサバイバーなのか、善悪の判断は観る人に委ねられます。主演はろうあの女性で、全編の会話の95パーセントが手話です。その緊迫感も観たことのない種類のものだと思います。ジャンナ・イサバエヴァ監督は過去作がいずれも国際映画祭で紹介されていて、伸び盛りの逸材です。

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