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中国SF「三体」Netflix実写化、制作陣が悩んだ仮想現実 半日撮影のためにセット建設

「三体」に登場する仮想世界
「三体」に登場する仮想世界

 中国の作家・劉慈欣リウ・ツーシン)が発表したベストセラーSF小説を、Netflixが実写化したドラマ「三体」。“映像化不可能”とも言われた小説を映像化するにあたり、制作陣は数多くのハードルを越えなければならなかった。

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 1960年代、人類に絶望した中国のエリート科学者が宇宙に向けて秘密裏に発信した電波が、とある惑星の異星人に届いたことをきっかけに、数十年後、地球を揺るがす大災厄へとつながるさまを描いた本作。実写化に挑んだのは、海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のクリエイターで知られるデヴィッド・ベニオフD・B・ワイスだ。

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 壮大なSF作品であるが、ベニオフは「宇宙船や宇宙人の住む惑星から物語がスタートするわけではありません。1960年代、北京のとある糾弾集会という、とても現実的な場面から始まるのです」と説明する。ワイスも「よく知っている歴史がベースにあり、物語がその側面から描かれていることに強く惹かれたのです」と補足した。

過去と現在が交差する物語

 美術担当のデボラ・ライリーは、現代のオックスフォードや1960年代の中国など、多種多様なセットをイメージして、忠実に作り上げることを意識した。「小道具の担当は、細かいアイテムまで中国のアンティークショップから取り寄せて、1960年代を作り出しました。タバコさえもチームが手作りしたもので、銘柄に至るまで当時のものを再現したんです。食べ物や本に関しても、当時の資料写真をもとに詳細に再現。基地の雰囲気を出すために、第二次世界大戦当時の飛行機や戦車、その他の機械から部品を借りたこともありました」

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 「三体」の物語においてカギとなるのが、リアリティーにあふれた仮想現実(VR)世界だ。仮想現実に入ると、全く別の建物や軍隊、複数の太陽、干からびた人体といった異様な光景が広がる。仮想と現実世界をまたぐ「三体」の世界観の幅広さには、制作陣も骨を折ったそうだ。

セットの使用期間は長くても2日!

 エグゼクティブプロデューサーのバーナデット・コールフィールドは、「セットが大量にあることが最も困難な課題でした。ほとんどのセットの使用期間は長くても2日ほどで、その日限りの撮影や半日の撮影のためにセットを組んでいくことが、とにかく大変でしたね」とプロダクションについて明かす。

 独特な雰囲気に包まれているVRの世界は、現実世界よりも表現が困難だったという。監督のデレク・ツァンは「大量のLEDパネルを使った巨大なLEDステージを作り、光を完全にコントロールしました。この世界の日の出や日の入りも作り出すことができました。俳優一人ひとりの肌の色に合わせてライティングを変えるようにプログラムすることもできましたし、そのように照明を扱えたのはとても面白く、素晴らしい経験でした」と挑戦的な撮影を振り返った。(編集部・倉本拓弥)

Netflixシリーズ「三体」3月21日(木)世界独占配信

『三体』最終予告編 - Netflix » 動画の詳細
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