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「どうする家康」最終回で伏線回収!作・古沢良太、オールキャスト集結の構想は「初期からあった」

最終回「神の君へ」より
最終回「神の君へ」より - (C)NHK

 松本潤が徳川家康役で主演を務める大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8時~NHK総合ほか)の脚本を手掛けた古沢良太が、17日放送の最終回「神の君へ」の着想について語った。これまで登場人物のセリフに度々登場した、織田信長(岡田准一)の娘・五徳と家康の嫡男・信康の祝言を巡る伏線を回収する展開となったが、古沢によると「最初に作った全話構成の時から考えていた」という(※ネタバレあり。最終回のネタバレを含みます)。

【画像】号泣!最終回名場面集

 最終回は、茶々(北川景子)の息子・秀頼(HiHi Jets作間龍斗)ら豊臣を相手に、家康にとって最後の戦となる「大坂夏の陣」と、家康にとって幸福な思い出である五徳と信康の祝言で起きた出来事という二つを軸に展開した。古沢と言えば『コンフィデンスマンJP』シリーズをはじめとする鮮やかな“伏線回収”が持ち味の一つで、「どうする家康」でもその手法は随所にみられたが、最終回はその集大成ともいうべき大団円に。めでたい祝言の日、信長に贈られた鯉が何者かに食べられてしまったことが発覚し、家康が肝を冷やす事態に。酒井忠次(大森南朋)、石川数正(松重豊)、本多忠勝(山田裕貴)、榊原康政(杉野遥亮)、鳥居忠吉(イッセー尾形)や夏目広次、本多忠真(波岡一喜)ら初期のメンバーも含む家臣団をはじめ、妻・瀬名(有村架純)母・於大の方(松嶋菜々子)ら家康が愛した懐かしき人々が集結した。

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 9月24日放送の第36回「於愛日記」では、側室・於愛の方(広瀬アリス)に瀬名と信康の思い出話をせがまれた家康が、信康と五徳の祝言のことを語り始める描写があり、家康は笑っていたがその話は明かされないままになっていた。なぜ、最終回で展開しようと思ったのか。その意図を問うと、古沢は「最終回は家康が臨終を迎え、平和という偉業を成し遂げる代わりに自分の本来の幸せみたいなものを全部捨てたっていうかわいそうな終わり方になるだろうと思っていました。その中で、でも本当の彼を知っている人たちはいたんだという時代に戻して、このドラマの本来のテイストってこういうものだったよね、というのを最後に持ってきて終わらせたかった。キャストが大集合する場面になるので、スケジュールが合うのかみんな心配していたんですけど、最終的には何とかなってよかったです」と話す。

信長から贈られた大切な鯉が骨になった姿で発見!顔面蒼白の家康

 これから信長が祝言に来るというのに、彼に贈られた大切な鯉が骨になっていた……! 青ざめた家康は血眼になって“犯人”捜しをするも、最終的には「大事な家臣を鯉と引き換えにはできぬ」と腹をくくり、そんな懐の深さに家臣たちが感激。実は、まだ鯉は食べられておらず家康がまんまと騙されていた、という“幸福”なオチだった。

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 「鯉の話は滝田栄さん主演の大河ドラマ『徳川家康』(1983)にも出てくるんですけど、信長の贈り物の鯉を家臣が勝手に食べたという逸話があって。家康が激怒して鯉を食べた家臣を手打ちにする事態になった時に、家臣から“あなたは鯉と家臣の命とどっちが大事なんだ”とたしなめられたっていう話ですね。これをどこかでやりたいと思っていて、少しアレンジしてああいう形にしてみました。家臣全員に騙されていたっていうのが、どこかこのドラマの家康っぽいし、楽しい感じにして終わりたかった」

 ドラマのコンセプトは、家康の偉人としての側面ではなく「個」にフォーカスすることを目的としていたが、そこで古沢が重要視したのが家族や家臣たちとの絆だった。「普通の青年がどうやってこの乱世を生き抜いていったのかっていう物語にしたくて、そういう一私人としての家康の人生をどうすれば魅力的に描けるのかと言うと、家臣たちとの絆や家族との物語が大事だろうなと。なるべく、そこを重点的に描こうと思いました」

 最終回では家康がついに乱世に終止符を打ち、平和の時代はその後260年余り続くこととなる。信長も秀吉もなしえなかったことを、なぜ彼だけが実現できたのか。

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 「ドラマには信長、秀吉、 信玄、義元とか、いろんなスターが出てきますけれど、彼らは皆1代で築いて、跡継ぎに継承する時に失敗している。家康だけがそれを成功させているんですよね。もちろんいろんな見方があるんでしょうけど、僕は家康が天才じゃなかったからだと思っていて。信長も秀吉も信玄も義元も天才ゆえに、天才にしか運営できない仕組みを作ってしまう。でも、家康は普通の人だったから、普通の人が運営できる体制を作っていって秀忠に継がせ、 その流れが続いていったんじゃないかという風に僕なりに解釈してみた。だとすると、家康は本当に天才でもなんでもない、むしろ軟弱でか弱い凡人として描くのがおそらく新しいだろうと至りました」とあらためて、本作で目指した家康像を振り返った。(取材・文 編集部・石井百合子)

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