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24年大河、紫式部を主人公にした理由は?

2024年大河「光る君へ」主演・吉高由里子と脚本・大石静
2024年大河「光る君へ」主演・吉高由里子と脚本・大石静 - (C)NHK

 2024年大河ドラマが、吉高由里子主演の「光る君へ」に決定した。平安中期に、のちに世界最古の女性文学といわれる「源氏物語」を生み出した紫式部(吉高)の人生を描くストーリーで、脚本をドラマ「知らなくていいコト」(2020・日本テレビ系)で吉高と組んだ大石静が務める。なぜ紫式部を主人公にしたのか? 制作にあたって、制作統括の内田ゆきがコメントを寄せた。

【写真】2011年の映画で中谷美紀が演じた紫式部

 紫式部は、平安時代、10世紀後半に京に生を受けた。名前は「まひろ」。幼いころ母を失うが、学問をつかさどる父のもとで並外れた文学の才を発揮し、想像力と好奇心を育み、考え深く鋭い感性を持つ女性へと成長。数歳年上の藤原道長と、少女の頃知り合い惹かれ合うも、身分差に阻まれる。やがてはるかに年上の男性と結婚して娘を授かるも、死別。一人娘を育てながら、のちに「源氏物語」として知られる長編小説を書き始める。道長との縁は終生続き、彼への愛憎はまひろの人生をさいなみ、そして花開かせる。「源氏物語」の評判が高まり、まひろは道長の求めで、その長女の中宮・彰子に仕える宮中の女房に。一方で「源氏物語」は道長のバックアップを受け、天皇や貴族の間で大ベストセラーとなる。

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 制作にあたって「これまでにやっていない題材はなんだろう? と、まずは考えました。そして、そろそろ女性の主人公がきてもいいのでは? と」と内田。「そんな中で浮かんできたのが、平安時代。主人公は、『源氏物語』の作者の紫式部です。千年の時を超えて現代語訳や二次創作を生み出し続け、世界20か国以上で翻訳されているこの物語の作者について、わかっていることは多くはありません」と紫式部を主人公にしたいきさつを語る。

 式部を探るうちに鍵となるモノが二つあったと言い「ひとつは、意外にも活動的で男性貴族とも対等に付き合い、政治にさえも大きな役割を果たしていた平安の女性像。もうひとつは最高権力者となった藤原道長と紫式部の『近さ』でした。二人は年代的にも物理的にもいくつもの接点を持っていたのです」と藤原道長の存在を挙げ、吉高演じる主人公を「まひろ」と名付けた経緯を以下のように明かす。

 「平安時代の多くの女性の名前は判然としません。紫式部も然りです。そこで私たちは、心に燃えるものを秘めた個性的な主人公に『まひろ』という名をつけました。のちに歴史上もっとも有名な女性の一人となった彼女は、なぜ、この完全無欠な男性を彩る愛の物語を書いたのか。そこに、彼女の人生に欠かせない片割れ、ソウルメイトとして藤原道長が大きく関わっていたのではないか。そして彼女が見聞きした、愛憎と権力が渦巻く宮中での、天皇や貴族たちの生きざまは、どのように物語に取り入れられていったのか。これまでにない挑戦となるドラマには、想像の余地があふれています」

 主演の吉高、脚本の大石とのタッグについて「ドラマの作者として、この上ない方、女性の人生と恋愛を描く脚本で、トップを走り続ける大石静さんをお迎えすることができました。そして主人公の紫式部、まひろ役には吉高由里子さん。吉高さんならば、書かずにはいられない女・まひろの情熱と、強くしなやかな生きざまを表現してくださることと、うれしく、心強く感じております」と期待を寄せている。(編集部・石井百合子)

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