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佐藤大志、市原隼人の俳優魂に感服「永遠に学んでいきたい!」

市原隼人&佐藤大志
市原隼人&佐藤大志

 映画『劇場版 おいしい給食 卒業』(5月13日公開)で、給食絶対主義を貫く主人公の教師・甘利田幸男を演じた市原隼人と、どちらが給食を「おいしく食べるか」という甘利田のライバルとなる生徒・神野ゴウにふんした佐藤大志が、作品を通して感じとった俳優として大切なことを語り合った。

事務所の先輩&後輩!市原隼人&佐藤大志【インタビューカット】

 2019年に連続ドラマ「おいしい給食」として放送された本シリーズ。2020年に劇場版『劇場版 おいしい給食 Final Battle』が公開され、2021年にドラマのシーズン2が放送され、本作は劇場版第2弾となる。1980年代の学校を舞台に、給食を食べることが生きがいの中学校教師・甘利田と、彼と同じように給食マニアの生徒・神野が、どちらが給食をおいしく食べるかを競う学園コメディー。

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 市原は「甘利田は給食というものにとにかく執着を見せる。これほどまでに一つのものに愛情を注ぐ姿というのは、ほほ笑ましくもあり、滑稽にもみえますが、誰の目を気にすることなく、好きなものを好きと言える甘利田は素敵だと思います。甘利田の給食への愛情を表現するために、ナレーションの抑揚や食べている時の動きまで、すべて撮影現場に入る前に構築して撮影に挑みました」と甘利田を演じる上で気をつけている点を明かした。

 そんな市原の役づくりを見ていた佐藤は、とにかく度肝を抜かれたという。「表情はもちろん、身体全体を使った動きで表現されている姿を見ると、本当にすごいと思いました。特におにぎりのシーンでは、撮影現場でもまったく想像していなかった動きをされて、びっくりしてしまいました」と今回の撮影で一番印象深かったシーンを振り返った。

 佐藤の言葉に市原は「とにかく毎日必死に戦っている感じでした」と撮影現場での姿勢を表現した。役者の仕事は、観てくださる方々のためにあるべきだという思いを持つ市原は「正直、舞台やドラマ、映画というエンターテイメントは衣食住にも入っていない。なくてもいいものなんです。だからこそ、存在する意義を、僕ら俳優をはじめ、スタッフみんなで創り出していかないといけないと思うんです」と力説した。

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 佐藤もこうした市原の熱意に大きな影響を受けているようで「芝居を始めたときは、仕事というよりは自分が楽しみにいくような感覚だったのですが、この作品での経験を通して、自分だけではなく、画面の向こうで観てくださるお客さんにも楽しんでもらいたいという意識が強くなりました」と考えが変化していったという。

 これまでは、撮影現場でも監督の指示に従うことが多かったが、ドラマがシーズン2になるころには少しずつ変わっていったという佐藤。「よりゴウというキャラクターについて考えるようになりました。まだまだですが、少しずつどうやったら観てくださる方に楽しんでもらえるのか……という思考もできるようになってきたと思います」と能動的に作品に臨めるようになってきたことを明かした。

 憧れの先輩である市原の立ち居振る舞いから、多くのことを学んだという佐藤。しかし、市原は「撮影現場に入れば10代だろうが20代だろうが、新人だろうがベテランだろうがみんな同じ役者。とにかく、お客さまに何かを届けるために共闘しようという仲間」と常に同じ目線で作品に挑んでいるという。「この作品では、(佐藤ら生徒役の俳優の)大切な15歳の夏をいただいて撮影をするので、何かを持ち帰っていただきたいということを伝えました。大志ら生徒たちはまだ自分の概念や思想が定まっていないぶん、すごく人間臭く、ピュアな気持ちが強く伝わってきて、僕の方が学ぶことが多かったです」と語った。

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 市原の姿勢に佐藤は「一緒に作品を作り上げているんだという思いが感じられて、すごくうれしかったです。作品に意味を持たせないといけない……という話にはすごく感銘を受けました。いまでも忘れられない言葉です」と先輩からの言葉を噛みしめた。

 佐藤の未来について、市原は「しっかりと自分のペースを持っていて、洞察力も鋭く、受け入れる姿勢も持っている。役者というのは、本当にご縁だと思う。役によって人生も変わるので、これからも良い出会いに恵まれれば」と思いやった。佐藤も「たくさんのことを教えていただきました。永遠に学んでいきたいです」とアニキ的存在である市原から、今後も多くを学ぼうという心意気を見せた。(取材・文・撮影:磯部正和)

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