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「カムカム」るいの気持ちに変化が…過去を肯定的に捉えられるようになった笑顔!

るいを演じる深津絵里
るいを演じる深津絵里 - (C) NHK

 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土、NHK総合・午前8時~ほか、土曜は1週間の振り返り)が第15週に突入。第68話のオープニングでは、これまでるい(深津絵里)にとって暗い影を落としていた母・安子(上白石萌音)との思い出に笑顔を見せるシーンがあった。このるいの表情について、橋爪紳一朗ディレクターが演出意図を語った。

父子の掛け合いに癒やされる…【場面カット】

 連続テレビ小説の第105作「カムカムエヴリバディ」は、昭和から令和にわたる時代をラジオ英語講座と共に歩んだ祖母・母・娘、3世代の親子の100年を描いた物語。るいと錠一郎(オダギリジョー)の間に愛娘ひなた(新津ちせ)が誕生し、ささやかな問題はありつつも、ほのぼのとした家族の団らんが描かれてきた。

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 京都で回転焼屋を始めたるいと錠一郎夫婦の元で生を受けたひなたは小学生に。14週では、映画村で出会った外国人のビリーと仲良くなるために、英語を習いたいと錠一郎にお願いするも、家計が苦しいことを察知していた錠一郎は、商店街の福引きで熱海旅行を当て、それを換金して英語の授業料にしようと考える。結果、るいが3等のラジオを当てたことで、ラジオ英語講座で英語を勉強しようという流れになる。

 第14週のラストでは、安子と幼少期のるいが英語講座を聞いていたことを思い出した際、その表情には笑顔がなかった。週が明けると、当時の回想が明けた場面で、るいは笑顔を見せたのだった。これまでるいにとって、安子との思い出は苦しさの象徴としても描かれていたが、ここに来て少しずつだが、るいの心境に変化が感じられた。

 橋爪は「第14週から15週は、ひなた編に繋がるダブルヒロイン体制になるのですが、るいにとっては母親になっていく物語が描かれます。時が流れるなかで、最初は安子の娘という立場だったのが、ひなたが生まれて、るいは母親になりました。だからこそ、安子に対しても、自分を俯瞰で見られるようになってきているんだと思います」と語る。

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 「あとは、(時間が経てば解決するという)時間薬ではないのですが、やはり何十年と言う時間が経過しているので、少しずつ感じ方も変わってくるのでは……という思いはありました」と説明。深津とは密に話をしたわけではないと言うが、自然と柔らかな笑顔になったという。

 「カムカムエヴリバディ」では、安子・るい・ひなたという母子3代の物語であることが、何気ない行動やセリフに現れている瞬間も多い。ラジオ講座を母子で聞くという場面も、物語では大きな意味を持つ。ひなたがラジオの英語講座をすぐに断念してしまうところも含めて、100年の物語として、噛めば噛むほど味が出てくるようなストーリーになっている。(取材・文:磯部正和)

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