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西川美和監督×役所広司『すばらしき世界』ワールドプレミア!トロント映画祭現地取材にリモート参加

現地取材の様子(リモート)
現地取材の様子(リモート)

 『ゆれる』『永い言い訳』などの西川美和監督の新作映画『すばらしき世界』(2021年2月11日公開)が、米アカデミー賞の前哨戦とされるトロント国際映画祭の第45回に出品され、現地時間の9月10日、ワールドプレミア上映が行われた。本作の主演を務める役所広司が西川監督と共に、現地で実施されたインタビューにリモートで参加し、「なかなか掴めなかった」という元殺人犯の主人公を振り返った。

【写真】仲野太賀、長澤まさみも登場!『すばらしき世界』特報

 本作は、直木賞作家・佐木隆三の小説「身分帳」を原案に、舞台を約35年後の現代に置き換えて映画化。13年の刑期を終えて出所した元殺人犯の三上(役所)が、すり寄る若手テレビマン(仲野太賀長澤まさみ)らと交流しながら、再生を目指すさまを追う。共演に橋爪功梶芽衣子六角精児北村有起哉安田成美白竜キムラ緑子ら。

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すばらしき世界
『すばらしき世界』より(C)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

 西川監督は、原案となった小説に惹かれた理由、それを映画のために翻案した経緯について以下のように述べる。

 「前作『永い言い訳』の撮影中に佐木隆三さんが亡くなられたと新聞を見て知りました。その記事の中で、佐木さんをよく知る作家の方が、佐木さんの真骨頂は非常に有名な『復讐するは我にあり』よりも『身分帳』ではないか、と書かれていたんです。それがきっかけでこの原作を手に取りました。そこで描かれていたのは、犯罪者が刑務所を出た後になんでもない日常を取り戻すために、こつこつと生きる地味な話だった(笑)。これは、自分で探しても見つけられるテーマではないと思い、映画化してみたいと強く思いました。たくさんのエピソードが詰め込まれている小説を2時間の映画にどう集約するかということが、オリジナルで映画を作ってきた私にとっては、とても手こずった部分でしたが、2、3年かけて取捨選択して書き上げました」

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 そんな西川監督たっての希望で主演を決めた役所は、「原案である小説『身分帳』と西川監督が書いた脚本を比べて読みながら、小説はもちろんト書きが多いのでその部分は脚本と照らし合わせて、三上という男を探し求めていました。しかしこの男がなかなか掴めなかった。撮影が始まってから、ワンシーン撮ったものがまた次のシーンのヒントになり、少しずつ三上という男に近づいていく感じがありました」と暗中模索のアプローチについて述懐。

 「あとは、ミシンの練習を一生懸命やりました(笑)。また監督と一緒に旭川刑務所を見学できたことは非常によい経験になりました」と、意外なエピソードも披露した。(編集部・石井百合子)

西川美和監督『すばらしき世界』特報に役所広司、仲野太賀、長澤まさみら » 動画の詳細
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