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「攻殻機動隊 SAC_2045」声優陣あってこその公安9課!ダブル監督が寄せる信頼

「攻殻機動隊 SAC_2045」神山健治監督と荒牧伸志監督
「攻殻機動隊 SAC_2045」神山健治監督と荒牧伸志監督

 Netflixオリジナルアニメ「攻殻機動隊 SAC_2045」の配信が迫っている。「攻殻機動隊S.A.C.」シリーズの神山健治監督と、『APPLESEED アップルシード』など数々の3Dアニメを手がける荒牧伸志監督が、ダブル監督体制で、シリーズ初の試みを詰めこんだ本作について語った。

(全14枚)「攻殻機動隊 SAC_2045」キャラクターアート

 本作は「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の流れを組みながら、モーションアクターの動きをキャラクターに反映するモーションキャプチャの導入など、新たな試みを積極的に取り入れたシリーズ初のフル3DCG作品。キャラクターデザインには、人気イラストレーターのイリヤ・クブシノブを起用し、ビジュアル面でも、若返りが図られている。

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 『攻殻機動隊 S.A.C. SOLID STATE SOCIETY 3D』が描いた時代である西暦2034年から11年が過ぎている設定。神山監督は「本来はキャラクターも大分年をとることになる。でも今回は、完全なリブートではないにしろ、新しい視聴者が入っていきやすいものにしたいという意図もあったので、意図的に若く見えるようにしました」と明かす。「ただ、マインドの部分では時間が反映されている。よく見ていただくと、あの頃の素子たちよりも落ちついて見えるように描いています」。

 デザインを一新となると、2Dに慣れ親しんだファンが違和感を覚える恐れもある。しかし「アニメーションのキャラクターって記号で構成されていて、それがないと不完全だと思うんです。今回も3D化をしても、デザイン面でいえば、髪の色は紫で目が赤くてショートボブであれば素子になるし、バトーなら、何よりあの義眼がある。あらためて完成されたキャラクターたちなんだなと思いましたね」と神山監督。そして、なにより違和感を払拭し、本作を新たな「攻殻」たらしめたのが声優陣の存在だった。

 本作には、草薙素子役の田中敦子、バトー役の大塚明夫、トグサ役の山寺宏一をはじめ、S.A.C.シリーズの声優陣が再結集。神山監督は「キャラクターを構成する要素のなかで、ビジュアル面と同時に声の存在もすごく大きい。今回はその点、田中さんをはじめ、公安9課のメンバーがそろっていただけるという保障がありました」と笑顔。荒牧監督も「その前提ではじめた作品だったので、皆さんの声があれば大丈夫だという、確信がありましたね」と自信をのぞかせる。

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 「唯一の不安材料といえば、皆さんレジェンド級の役者さんたちなので、一堂に会するチャンスがあるのかというところ(笑)。しかしそこも、皆さんに『攻殻機動隊』なら出るよと言っていただけました」(神山監督)

 声優陣と、リアルな人間の動きを反映するモーションキャプチャの融合によって際立つのが、「S.A.C」ならではといえる、情緒あふれるドラマパートだ。荒牧監督は「(モーションキャプチャーを導入した)「ULTRAMAN』ではかなり派手なアクションを作りましたが、『攻殻』は、非常に落ち着いた、オーソドックスな見せ方をしています。やはり、ちゃんとドラマを描きたいというのがあったので、奇をてらわずに、きちんと見せていこうということになった」と語る。

 もともと、3DCG化を提案したのは荒巻監督だった。「3DCGでモーションキャプチャを使えば、神山監督の演出したいことがさらに際立つイメージがありました。ある程度リアルな等身で、しっかりと作った世界観のなかで、キャラクターが立体的に活躍する。それって僕がやってきたことにも通じるし、神山監督の演出スタイルにもフィットしていると思った」とその意図を明かす。

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 「それに、フル3DCGでモーションキャプチャを取り入れているテレビシリーズというのも、そんなに前例がない。大変な作業になると思っていましたが、長いシリーズだからこそ、問題点を抜き出して、克服していく過程も体験できた。手応えがある作業になりましたね」

 物語においても、シリーズ初体験の視聴者が入っていきやすい構成がとられた。世界は「全世界同時デフォルト」による経済的混乱とAIの爆発的な進化により、計画的で持続可能な戦争“サスティナブル・ウォー”に突入している。シリーズ前半では、それぞれの生き方でこの時代をすごす9課メンバーが、再結集するまでが描かれる。「新しく見る方も、何となく、キャラクターの過去がわかるようにしようと。ゼロから見た方がどう感じるのか、気になっていますね」

 シリーズ初放送から15年以上が経過した「S.A.C」。神山監督は「原作もそうですけど、当時描いていたネットワーク社会や、その社会における犯罪というものが、わりと現実になったなというものがあって。ある種、時代が作品に追いついた感覚があります」と語る。「少なくとも僕は、社会の未来予想図というよりも、現実の社会状況が何によってもたらされているのかを掘っていくのが、S.A.Cらしさだと思っていた。今回も、2010年代が終わろうとしているときに、時代を切り取っていったら何があるのか考えた。そのうえで、ネットやAIっていうものが、違った形で見えてくるのではないかと思っています」。(編集部・入倉功一)

「攻殻機動隊 SAC_2045」はNetflixにて、4月23日(木)全世界独占配信(※中国本土を除く)

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