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ポン・ジュノ監督、新作に「寄生虫は登場しません」と呼びかけ

『寄生虫』韓国版ポスタービジュアル 提供:CJエンターテイメント
『寄生虫』韓国版ポスタービジュアル 提供:CJエンターテイメント

 『殺人の追憶』『母なる証明』などのポン・ジュノ監督の新作長編映画『寄生虫(韓国題の日本語訳)』の制作報告会見が22日韓国・ソウル市内のホテルで行われ、監督をはじめ、ソン・ガンホイ・ソンギュンチョ・ヨジョンチェ・ウシクパク・ソダムチャン・へジンら出演者が出席。登壇するなりポン監督は「この映画のタイトルは『寄生虫』ですが、寄生虫は登場しません。見ればわかりますが、衛生的な映画です」と呼びかけ、会場の笑いを誘った。

【写真】女子高生殺人事件を描いたポン・ジュノの2009年の衝撃作

 映画『寄生虫』は、失業中のギテク(ソン・ガンホ)の長男ギウ(チェ・ウシク)が、家庭教師の面接を受けるためにグローバルIT企業のパク社長(イ・ソンギュン)の家に足を踏み入れるところから物語が始まる。韓国版のポスタービジュアルは、登場人物に目隠しの加工が施されたショッキングな画となっている。

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 本作についてポン監督は「2014年の寒い冬に思いついた。富裕層とそうでない階層の人間はすみ分けができていて、互いの生活では接点がまずない。息子が家庭教師をすることで、接点のない二つの家族が関係を持ち、境界が崩れていくさまを描いてみたかった。非常に韓国的な内容であり、海外の人には100%理解できない部分もあると思うが、貧富の差はどこの国にもあるので共感を得られると思う」と着想のきっかけを説明。「自分の中では最新作が常に最高作品」と自信も。

寄生虫
会見の様子

 主演のソン・ガンホとは『殺人の追憶』(2003)、『グエムル -漢江の怪物-』(2006)、『スノーピアサー』(2013)などに続くコラボ作品。ポン監督がソン・ガンホを「映画という団体競技の中でチームを引っ張っていくメッシやロナウドのような存在」とリオネル・メッシクリスティアーノ・ロナウドら世界トップのサッカー選手に例えると、ソンは「ポン監督は創意的で、どんなことでも受け入れてくれる。だからサッカー選手が思い切りプレーするように、自分たちも楽しみながら刺激を受けて演じられる」と監督に対する絶対的な信頼を述べていた。

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 本作は第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への出品が決まっている。カンヌの出品に関してポン監督は「そうそうたる監督の作品が出品されている。賞レースに絡むとは思っていない」と謙遜すると、すかさずソンは「わたしが過去に出演したカンヌ国際映画祭コンペ部門作品では女優賞(『シークレット・サンシャイン』(2007))、審査員賞(『渇き』(2009))と賞をとっている。今回も伝統を引き継いでくれるのでは?」と自信を見せた。

 映画『寄生虫』は5月末に韓国で公開。(取材・文:土田真樹)

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