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ホラー映画ではない!…と憤慨の日本人監督の201分の超大作が公開される

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201分におよぶ大作を撮った井土紀州監督
201分におよぶ大作を撮った井土紀州監督 - Photo:Harumi Nakayama

 第38回ロッテルダム国際映画祭にて、井土紀州監督の計201分に及ぶ3部作映画『ラザロ-LAZARUS-』が一挙上映された。

 しかし、同作品は、平凡な女性だったマユミ(東美伽)が、ある事件により社会を憎み、世界の滅亡をすべく罪を犯していく社会派サスペンスなのだが、なぜか出品されているのは、「ハングリー・ゴースト」と題したホラー映画特集部門。井土監督も「映画祭側に、そういう映画じゃないよと説明したんですけどね」と戸惑いを隠せない。

 井土監督は脚本家出身で、キム兄こと木村祐一の初監督作映画『ニセ札』の共同脚本も手掛けている。『ラザロ-LAZARUS-』は2007年に日本で劇場公開され、監督にとっては1998年の映画『百年の絶唱』以来、9年ぶりとなる劇場公開作。京都国際学生映画祭の学生たちと1作目の映画『蒼ざめたる馬』を作り上げ、そこから生まれたマユミというキャラクターを主人公に3部作まで膨らんだ。劇中にゴーストは出て来ないが、本作を気に入った映画祭スタッフが、3部作の最後に、マユミが“お化け未満”となるシーンが登場することから、ちょっと強引に同部門にねじ込んだようだ。

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 舞台あいさつに立った井土監督は、「純粋なホラーを期待して人はガッカリするかもしれませんが、この作品はどちらかというと犯罪映画です。なので、ハングリー・ゴーストというよりアングリー・ゴーストという感じになっています。3本目に超常現象が起こりますので、それを楽しみにして下さい」と上映の度に説明する事態となっている。 

 また、「スペクトラム」部門で上映されているイタリア映画『Pane/Piazza della camelie』は、イタリア語でパンを意味する「pane」とタイトルに付いていることから、ピアッツァ(広場の意味)をピザ(pizza)と読み間違えて来る観客が続出。こちらも上映前に、トニーノ・デ・ベルナルディ監督が「プログラムのタイトルが間違っているんじゃないかと問い合わせが来ているようですが、残念ながら、ピザ屋の話ではありません(笑)」と注釈を入れるハメとなっている。(取材・文:中山治美)

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