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パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 (2017):映画短評

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 (2017)

2017年7月1日公開 129分

パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊
(C) 2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.2

清水 節

第1作への回帰、主要キャラ再登場…すべてはプロデュースの勝利

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 海洋映画の名手監督の起用、若き男女が呪いを解く物語の中心にいて、その周辺をジャックが飄々と立ち回る第1作に立ち返った構造、そして何より、満を持してのウィル&エリザベスの再登場。すべてはプロデュースの勝利だ。剣戟や大海獣といったスペクタクル要素に欠けるのは残念だが、3作目に登場していたヘンリーの成長譚として、宿敵バルボッサの完結譚として、見応えは十分。北を指さないコンパスや、瓶に閉じ込められたブラックパール号など、過去4作にちりばめられたネタを有効活用し、脚本テクニック的にも抜かりなし。邦題は見納め感を醸し出すが、続編やる気満々の幕切れ。かつて絶滅していた海賊映画サーガは終わりそうない。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

今回はストーリーが映画を牽引する!

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 お約束の大空間を使ったアクションで魅せつつ、今回はシリーズ史上もっともストーリーが明確。それは新たな登場人物3人、ジャックと絡む若い男女とジャックの敵に、強い"動機"があるから。彼らの行動は"救いたい""知りたい""復讐したい"という自発的な意欲と強い感情によって裏打ちされている。これまでの誘拐や幽閉からの救出というような、何かに対する受動的な反応ではないのだ。ジャックは、自分の感情にも囚われない自由人というキャラ設定なので、感情に訴えかけるドラマは担えない。そこで、新たな登場人物たちにドラマを託したのは正解。ジャックはやっぱり、ストーリーの周囲をウロチョロしているのがよく似合う。

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なかざわひでゆき

賑やかで楽しい100%ピュアなアトラクション・ムービー

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ジョニー・デップが久々にジャック・スパロウ役に挑むシリーズ5作目は、とにかく終始一貫して賑やかなことこの上なし。文字通りジェットコースターのごときスピード感と、特大級スケールのアクション、人を食ったようなユーモアで存分に楽しませてくれる。
 『コンティキ』の監督コンビを起用したことも大正解で、海洋アドベンチャーに必要不可欠な夢とロマンも盛りだくさん。ジェフリー・ラッシュ演じるキャプテン・バルボッサがね、また最後の最後で泣かせてくれるんですわ。
 ただ、よくよく振り返ると中身は本当にたわいない。というか薄っぺらい。いわば、100%ピュアなアトラクション・ムービー。それはそれで潔いんだけれどね。

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山縣みどり

水戸黄門のような長寿シリーズになるのかな?

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

ジョニー・デップがせこく、だらしなく、酒浸りなパイレーツを生き生きと演じている。離婚騒動以来、気になっていた悪相化もヘビーメイクでカバーされ、動きも台詞回しもまさに水を得た魚。やはりスターのプライベートはそっとしておくに限ると実感した。海賊船バトルの場面はシリーズ史上最高にワイルドで、海洋撮影が得意な『コン・ティキ』の監督コンビの起用が効いた。オーリー&キーラに変わる若手も体を張って頑張っているが、出色はハビエル・バルデム。きも〜い外見での怪演はお子さんには見せられない。役者魂よの〜。前フリから最後まで予想を裏切ることのない展開と観客の涙を振り絞る設定もお約束で、水戸黄門化も近いね。

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くれい響

ノルウェー人監督コンビの才能が爆発!

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

前作から6年ぶり、ウィルの息子・ヘンリーを主人公に迎えた仕切り直しのシリーズ第5作は、とにかく『コン・ティキ』の監督コンビがいい仕事をしている。シリーズの売りであるアトラクション性を継承しながらも、しっかり海洋アドベンチャーとしてのロマンを堪能させてくれるのだ。しかも、家族愛をテーマに、ジャックとバルボッサとの関係性やボトルシップとなったブラックパール号など、前作までの伏線をしっかり回収。『ワイルド・スピード』シリーズを意識したアクションや、『キング・オブ・エジプト』ファンならニヤリなシーンもあり、それでいてシリーズ最短の尺となる129分。シリーズ初となる4DXも体感したくなる仕上がりだ。

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猿渡 由紀

文字通り、テーマパークの乗り物に乗っている気分

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

これでもか、これでもかと次々にいろんなことが起こる。追っかけっこ、剣の闘い、どたばたギャグ、“父と子”という感動の(?)テーマ、お馴染みキャラの過去の秘密も詰まっていて、まさにてんこ盛り。楽しませたいという意欲はたっぷり伝わってくるし、飽きはしないのだが、終わった後に、残るものがほとんどない。テーマパークのアトラクション体験みたいな感じだが、もともとがそこから生まれた映画だと思えば、間違ってはいないのか。ジョニー・デップはあいかわらず笑わせてくれるので、ファンはおそらくそこそこ満足するのでは。

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