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音痴のオペラ歌手、現代じゃムリ!?ヒュー・グラントが語るそのワケ

音痴のオペラ歌手を支えた夫を演じたヒュー・グラント
音痴のオペラ歌手を支えた夫を演じたヒュー・グラント

 映画『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズの英国人俳優ヒュー・グラントが、メリル・ストリープと共演した話題作『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』(原題:Florence Foster Jenkins)について、8月8日(現地時間)にニューヨークのAOLで開催されたイベントで語った。

【写真】シリーズ第3弾!『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』

 本作は、歌唱能力が全くないものの、オペラ歌手になる夢を追求した実在の女性、フローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル)を題材にしたドラマ。彼女の夫のSt.クレア・ベイフィールド(ヒュー)が、ピアニストのマクムーン(サイモン・ヘルバーグ)を雇ってフローレンスに現実を見せずに、1944年、彼女のためにカーネギーホールでコンサートを開催させるまでをつづっていく。『クィーン』のスティーヴン・フリアーズ監督がメガホンを取った。

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 フローレンスについての知識はあったのか。「僕が20代のときに何か面白いものとして、フローレンスのカセットテープを友人の間で回していて、それをパーティーなどで聴いていたよ。でも、彼女の人生の詳細などは知らなかった」と語ったヒューは、今作のためにいろいろ調べたそうだ。

 なぜ夫であるベイフィールドは、フローレンスと結婚生活を続けることができたのか。「それが本作の主題の一つでもある。彼はフローレンスに会ったときは、お金のない端役だけの俳優だった。だが、(フローレンスと出会い)彼女から豊かなライフスタイルを提供され、さらにニューヨーク社会での地位も与えられた。そのため彼は、それらを望んだために結婚したのか、それともこの風変わりなフローレンスと彼女の声が本当に好きだったのかを、本作を通して観客に問うているんだ」と説明した。

 フローレンスのような歌手は現代に存在することは可能と思うか。「インターネットがある限りは無理だね。彼女の精神は粉々にされるだろう。(現代では)ベイフィールドやマクムーンは悪い批評から彼女を守ることはできない。なぜならその悪い批評は、(ソーシャルメディアを通して)携帯やインターネットで伝わるからだ。だが、映画内のベイフィールドは6人の音楽批評家に賄賂を渡して、彼女のために良い批評を書かせ、唯一悪い批評をした新聞社の記事は、スタンドでその新聞を買い集めて、彼女が見られないようにした。それは今日ではもう無理だ」と答えた。ベイフィールドはおとぎ話のような世界を彼女に提供していたようだ。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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