ADVERTISEMENT

う~ん、マンダム…これが男のダンディズム!映画ベストヒゲそりシーンを探せ!

今週のクローズアップ

002

 ヒゲそりは男性にとって基本的な身だしなみのひとつ。映画でも生活の一コマとして数多く登場しますが、マイホームパパの日常を映すだけでなく、演出しだいで愛の営みになったり、男の決死の覚悟を伝える儀式になったりと、印象的なシーンとして作品を盛り上げてくれます。そこで、男たちのさまざまな思いが詰まった「ベストヒゲそり」シーンをピックアップしてみました!(編集部・入倉功一)

■極限状態でも身だしなみを忘れないのが真の男!

『シュワルツェネッガー/プレデター』(1987)

002
ど真ん中のナイスガイがマック・エリオット軍曹です。Sunset Boulevard / Corbis via Getty Images

 アーノルド・シュワルツェネッガー率いる特殊部隊と宇宙からやって来た最強のハンター、プレデターの肉弾バトルを描いたアクション。シュワちゃん演じる主人公ダッチがまとめる個性的すぎる隊員の一人で、『コマンドー』でもナイスな悪役を演じたビル・デューク演じる黒人軍曹マック・エリオットは、安全カミソリを愛する武骨な軍人です。過酷な戦場を生きてきたマックのツラの皮はシェービングクリームなど必要なしのブ厚さで、何もつけずに漆黒の肌をジョリジョリするさまは男なら一度は憧れるはず(?)。あまりに興奮しすぎると、肌にカミソリを押しあててブチ折ります。

「バンド・オブ・ブラザース」(2001)

ADVERTISEMENT
002
Photo by HBO via Getty Images

 スティーヴン・スピルバーグが、第2次世界大戦を舞台に『プライベート・ライアン』で確立したリアリティーあふれる戦闘描写と濃密なドラマを描いたテレビシリーズ。落下傘でドイツ本土に上陸した米陸軍第101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊の「E中隊」の活躍を描く本作では、E中隊を率いるウィンターズ(ダミアン・ルイス)のヒゲそりシーンを随所で観ることができます。習慣へのこだわりは、極寒のベルギー・アルデンヌの森においてもそるのを欠かさないほど。中でも、敵地の真っただ中、火をたくこともできず、弾薬箱にためた氷を割ってヒゲそりに挑むシーンは特に印象的です。白い息を吐きながらシェービングクリームを塗るウィンターズの姿は、ユーモアと同時に、どんなときも習慣を忘れず正常な意識を保とうとする兵士のさがと戦争の過酷さを感じさせます。

「ウォーキング・デッド」(2010~)

002
AMC / Photofest / ゲッティ イメージズ

 ゾンビパニックに見舞われ荒廃した世界で、安住の地を求めて放浪する生存者たちの姿を追ったテレビシリーズ。リーダーとして生存者をリードする元保安官リック・グライムズ(アンドリュー・リンカーン)は、仲間や大切な人の死、人間同士の争いを経て、自分のグループ外の人間を殺すこともいとわないようになり、精神の崩壊に比例するようにヒゲが伸びていきます。

002
さっぱり状態のアンドリュー・リンカーン Craig Barritt / WireImage / Getty Images

 しかしシーズン5で安住の地と思える場所を見つけ、子供たちの事を思うように諭された彼は、久々のシャワーを浴び、たくわえていたヒゲをそり落とします。死の淵から復活したような彼のヒゲそりシーンはファンの間でも語りぐさに。ちなみに、リック役のアンドリューは、撮影のため、実際にたくわえていたヒゲをそり落としたそうで、後に「ヒゲが恋しい。できるだけ早く取り戻したいよ」と語っています。

ADVERTISEMENT

■ヒゲそりといえば床屋&マフィア?

『アンタッチャブル』(1987)

002
Paramount Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

 禁酒法時代の米シカゴを支配する暗黒街の帝王アル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)逮捕に情熱を燃やす財務省特別捜査官エリオット・ネスケヴィン・コスナー)が率いる捜査チーム「アンタッチャブル」の奮闘を描いたブライアン・デ・パルマ監督作。シカゴ・ユニオン駅を舞台にした「階段落ち」の銃撃戦が有名ですが、オープニングのヒゲそりカットも白眉の出来栄え。ヒゲそりの合間、自分を囲む記者たちの取材に答えるカポネを捉えたこのシーン。上機嫌なカポネが振り向いた瞬間、床屋のカミソリがカポネのほおを切ってしまう。ほおから流れる血を見た瞬間、記者たちの表情からうすら笑いが消え、周囲の空気が凍りつく……。たったワンシーンで「何かをしでかしたら殺される」と思わせる、カポネの恐ろしさを表現したまさにベストシーンです。

『イースタン・プロミス』(2007)

002
Features / Photofest / ゲッティ イメージズ

 ロンドンで暗躍するロシアン・マフィアの闇をヴィゴ・モーテンセンナオミ・ワッツ共演、デヴィッド・クローネンバーグ監督で描いたバイオレンス。ここでもヒゲそりシーンは冒頭から。ロシアン・マフィアの一人が床屋でリラックスしているところ、店主が甥っ子にマフィアの殺害を命令、あわれ身動きできないマフィアは喉をカミソリでかっ切られる……。人間が肉体の暴力にさらされるさまを冷徹に描いてきたクローネンバーグ監督だけに、喉がパックリと裂けるさまを克明に見せる映像は強烈の一言。カミソリで喉を切り裂くといえば、ジョニー・デップが狂気の理髪店店主を演じる『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』も強烈ですが、インパクトはこちらの方が大かも。

ADVERTISEMENT

■大切な人との絆…

『リーサル・ウェポン3』(1992)

002
Sunset Boulevard / Corbis via Getty Images

 ロス市警でコンビを組む元特殊部隊員の“リーサル・ウェポン”ことリッグス刑事(メル・ギブソン)と黒人のベテラン刑事マータフ(ダニー・グローヴァー)が、悪党相手に大暴れするバディムービーの第3弾。麻薬の売人たちとの銃撃戦で犯人を射殺したマータフは、マシンガンを持った犯人が、息子の親友だったことを知る。息子の親友を殺してしまった自分と息子との間に気まずい空気が流れるが、親友の葬式に一緒に出席するため、ぎこちない手つきでヒゲをそる息子に、自ら手ほどきするシーンがベストヒゲそりシーン。「ヒゲの流れに逆らうな」と優しく息子に教えるマータフ。最後には互いに「バッチリか?」「バッチリさ!」と笑みを交わすシーンは、大人の階段を上る息子を見守る父親の愛情と家族の絆を感じさせる心に残るシーンです。

『フェノミナン』(1996)

002
『フェノミナン』公開当時のトラヴォルタとキーラ。若い! The LIFE Picture Collection/Getty Images

 ある日、田舎町で暮らす平凡な男ジョージ(ジョン・トラヴォルタ)が、空から降り注ぐ謎の光を浴びて不思議な能力と天才的な頭脳を得る。その能力で街の人々を助けるジョージだったが、次第に彼の命は……。印象的なヒゲそりシーンは、ジョージを慕うレイス(キーラ・セジウィック)が、彼の散髪をしてヒゲもそる場面。淡い光に包まれた優しい映像に、BGMとして流れるアーロン・ネヴィルロビー・ロバートソンが歌うヴァン・モリソンの楽曲「クレイジー・ラヴ」の効果もあって、そこはかとなくエロティックでロマンチックなシーンに仕上がっています。スクリーンにドーンと映される、トラヴォルタの下あごのデカさがちょっと気になりますが……。

ADVERTISEMENT

■これぞ芸術!アートなヒゲそりシーン

『チャップリンの独裁者』(1940)

002
Photo by John Springer Collection/CORBIS/Corbis via Getty Images

 ブラームス「ハンガリー舞曲 第5番」に合わせて、男性のヒゲそり作業を進めていく床屋のチャーリー(チャールズ・チャップリン)を捉えた、あまりにも有名なシーン。リズムに合わせたチャップリンの演技はとにかく見事の一言。ヒゲそりだけでも極上のエンターテインメントになることを証明する、実に映画的で芸術的なシーンでもあります。

■番外編

『セブン』(1995)

002
Getty Images

 「七つの大罪」になぞらえた連続殺人を追う2人の刑事サマセット(モーガン・フリーマン)とミルズ(ブラッド・ピット)の姿を追う、デヴィッド・フィンチャー監督の傑作サスペンス。注目したいのは、被疑者であるジョン・ドゥに死体遺棄現場を案内させる際、サマセットとミルズが隠しマイクを胸に貼るため、警察の洗面所で胸毛をそるシーン。「乳首を切り落としたら労災出るかな?」「私が新品を買ってやる」と笑い合う2人のやり取りは、常に雨と絶望感漂う画面が支配する本作において、数少ない気が休まる場面の一つ。また同時に、この場面があるからこそ、後に待つ衝撃的なラストの絶望感も高まります。

『ホーム・アローン』(1990)

002
当時、まさに天才子役の名をほしいままにしたカルキン。Getty Images

 クリスマス時期の定番ともいえるコメディー映画にも印象的なヒゲそりごっこシーンが。家族旅行から一人取り残された8歳の少年ケビン(マコーレー・カルキン)は、たった一人の生活を満喫。大人のマネをして洗面所で身だしなみを整え、いつもお父さんがつけているアフターシェーブローションをつけると……あまりの爽快さに大絶叫! おじさんにとってはシャキ! っとなる瞬間ですが子供には刺激が強すぎるこの瞬間。カルキンの印象的な叫びはあまりに有名ですが、日本人にはなじみのない習慣なのか? 彼が何故叫んでいるのか、わからない観客も多かったようです。

 主に現代が舞台の作品をチョイスしましたが、西部劇などにも印象的なヒゲそりシーンはたくさん! ベネディクト・カンバーバッチがマーベルヒーローを演じる最新作『ドクター・ストレンジ』(2017年1月27日全国公開)には、ヒゲもじゃ姿のカンバーバッチが登場! 予告編にもちょっと出てきますが、きっとナイスなヒゲそりシーンを見せてくれるはずです!

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT