ADVERTISEMENT

番外編 第81回オスカーノミネーション現場に潜入!

LA発! ハリウッド・コンフィデンシャル

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ハリウッドコンフィデンシャル番外編 オスカー・ノミネーション現場に潜入レポート
朝5時半! 過酷なオスカー・ノミネーション開始時間の謎!
今年も映画ファンの皆さんに代わって行ってまいりました、第81回アカデミー賞ノミネーション会場!

毎年恒例のウルトラ早い開場に間に合わせるため(これは、東海岸の就業時間に合わせるためである)、起床は去年同様の夜中3時で、家を出たのは4時15分。テレビ局など中継用のカメラクルーなどは、用意のために何と0時(!!)入りのところもあるらしい。ご苦労さまです!

車でビバリーヒルズにあるアカデミー本部内の会場へ向かうが、辺りはまだ真っ暗。今朝の天気予報は雨。思い起こせば去年のノミネーション当日も雨模様だった。だけど今年は去年に比べるととても暖かい。おっと、そういえばアカデミー賞授賞式の日も雨だった! これはミスター・オスカーは雨男ということなのだろうか!? 今年はバッチリと晴れてほしいものである。

さて、普段なら車で40分近くかかるアカデミー本部だが、いつもは大渋滞の大通りもさすがに早朝4時とあっては人っ子ひとりいない。現場に20分で着いてしまった。
すると、アカデミー本部の入り口には列ができている。中に入ると飛行場さながらのものものしい警備体制。イカツイ警備員のお兄さんたちとともに、4つのメタル探知機が行く手を阻んでいる。だが、先日取得済みのクレデンシャル(入場許可パス)を持っていれば問題なし! アカデミー側がパスに付いている番号をコンピューターに打ち込むと、パス取得者のID写真がスクリーンに映るようになっているのだ。顔がマッチすれば「ようこそ!」という仕組みである。
アカデミー入り口これがプレス用PASSだ!
中に入ると、ロビーは関係者たちでごった返している。早起きして来ているわたしたち報道陣のために、アカデミー提供の食べ放題のビュッフェがここで行われているのである。紅茶・コーヒーはもとより、エスプレッソやカフェモカなどを作るバリスタまでいる。フードセクションへ行くとデニッシュやパン関係、シリアルやスクランブルエッグ、ベーコン、フルーツが並ぶ。でも待てよ……去年あったはずのフレンチトーストやソーセージがない! おおっ! ついにここにまで不況の波が……普段は記憶力の悪い自分が、なぜか去年の朝食メニューを覚えていることに驚きつつ、アカデミーの資金やりくりに同情。でもソーセージ食べたかった……。
すごすぎるブレックファスト・ビュッフェ
ついに会場へ! 光り輝くオスカー像が!
さて、花より団子根性はこれくらいにしておいて、いよいよノミネーションが行われるサミュエル・ゴールドウィン・シアターの開場である。大手のメディアは指定区域がステージ前にあるが、一般ジャーナリストは早い者勝ちの席取り合戦。皆さりげなく足早に2階にある会場へと上がっていく。

会場内に入るとステージを照らす華やかなライトに目を奪われる。舞台装飾は基本的には去年と同様のようだ。きっとノミネーションの舞台デザインはこのパターンが伝統なのだろう。それにしても、ステージ両脇にそびえ立つ大きな金色のオスカー像は、いつ見ても神々しい! ある意味でオスカーは映画の神様……だから神々しいと言っても過言ではないだろう。

ステージ上のマルチスクリーンが、ノミネーション発表本番へのカウントダウンを映し出している。そしていよいよ第81回アカデミー賞候補者発表のスタートだ。

ノミネーション、ついに開幕! それなのに……ああ、それなのに!
今年のノミネーション発表を担当したのは、自身も映画『ラストキング・オブ・スコットランド』でアカデミー賞主演男優賞受賞経験のあるフォレスト・ウィッテカー。アカデミー会長のシド・ギャニス氏がまず登場し、あいさつをしてからフォレストをステージ上に招き入れ紹介する。いよいよノミネーションの発表である。

さて、実はこの発表というのは意外にもかなり淡々としていて、余韻も何もないような速度で進んでいく。司会の語りもジョークも何もなく、候補者と作品名がどんどん読まれていき、あれよあれよという間に終わってしまうのである。だが、毎年その中で目立って会場を沸かせる候補者や作品が、必ずいくつかある。

今回のノミネーション発表で目立ったのは、映画『ミルク』で助演男優賞候補になったジョシュ・ブローリン、そして同作品監督のガス・ヴァン・サントの発表時の声援と拍手。女優陣では、主演女優賞候補に挙がった映画『フローズン・リバー』(原題)のメリッサ・レオ、そして映画『レスラー』で助演女優賞候補に選ばれたマリサ・トメイへのエールが目立った。長編アニメ部門では、やはり映画『ウォーリー』への拍手が、そして何といっても全般的に拍手や歓声が多かったのは、映画『スラムドッグ$ミリオネア』である。ノミネーション会場での反響が、実際のアカデミー賞へどう反映されるかは当日にならないとわからないが、『スラムドッグ$ミリオネア』はノミネーション数だと、映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の13部門に劣っているものの(『スラムドッグ$』は9部門10ノミネート)、業界内でのサポートの熱烈度では勝っているように思われる。

さて、くしくもノミネーション当日は、映画『ダークナイト』で助演男優賞候補に挙がったヒース・レジャーの一周忌だった。ヒースのご家族や友人たちは、彼のノミネーション入りを喜んでいることだろう。

ただ、去年の時点では主要部門ノミネーションへの前評判が高かった『ダークナイト』だが、助演男優賞ノミネーションを除くと、美術賞や撮影監督賞など比較的に地味めなカテゴリーへのノミネーションが目立った。

今年は日本から、外国語映画賞に映画『おくりびと』、そして短編アニメ部門で加藤久仁生監督映画『つみきのいえ』がノミネーション入りを果たし、日本人にとって例年以上にわくわくするアカデミー賞になりそうである。受賞式はアメリカ西海岸時間の2月22日の17時(日本時間2月23日の10時)より、コダックシアターにて開催される。


(取材・文:神津明美 Addie・Akemi・Kohzu)
ノミネーションの発表の瞬間!
up
ADVERTISEMENT
  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT