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『トランスフォーマー/ビースト覚醒』がシリーズ最高傑作とは本当か

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『トランスフォーマー/ビースト覚醒』で中心となるミラージュは964型ポルシェ911シルバーに変形する。エレーナ役ドミニク・フィッシュバックとお似合い!
『トランスフォーマー/ビースト覚醒』で中心となるミラージュは964型ポルシェ911シルバーに変形する。エレーナ役ドミニク・フィッシュバックとお似合い! - Tristan Fewings / Getty Images

 8月4日に日本で劇場公開する『トランスフォーマー/ビースト覚醒』は、先に公開されたアメリカでは「シリーズ最高だ」という声が挙がっている一方で、「予想に違わず最悪」という声もあり、その評価を二分している。アメリカの大手批評サイト「Rotten Tomatoes」では批評家の評価が53%の潰れたトマトの一方で、観客の評価は91%と高い数字を記録し、「トランスフォーマー」シリーズの観客評価としてはこれまでになかった高評価となっている。

 確かにこれまでの『トランスフォーマー』シリーズは、決して評価が高いとは言えなかった。初作の『トランスフォーマー』は、製作総指揮として巨匠スティーヴン・スピルバーグが宣伝においても前面に出て、スピルバーグのハートフルなエンターテインメントとマイケル・ベイのブロックバスターを融合させることで、一定の評価を得た。さらに、CGI黎明期においてパーツの一つ一つを丁寧に動かして見せるメカニックの視覚効果は目を見張るものがあり、映画史においても特筆すべき作品であったことは事実だ。シリーズのリブートという位置づけの『バンブルビー』は比較的高い評価を受けたが、それ以外のシリーズは2作目の『トランスフォーマー/リベンジ』から前作の『トランスフォーマー/最後の騎士王』までラジー賞(最低映画賞)のノミネーション最多の常連でもあった。

 今作ではついにオリジナルの「トランスフォーマー」シリーズの中でも人気の高い「ビーストウォーズ」が本格的に登場し、期待が高まるはずだったが、過去の失敗が影響してか、一部の「ビーストウォーズ」ファン以外にはまったく期待されていない状態だったと言える。ところが、完成された作品を観た観客や日本のマスコミの間では「意外に良い」という声が上がり始めた。物語の舞台が90年代であるため、第1作目『トランスフォーマー』より前の時代を描いており、『バンブルビー』が80年代後半の設定のため、時系列的には『バンブルビー』の次になる。つまりスタジオはこれまでの『トランスフォーマー』シリーズをなかったことにして、評判の良かった『バンブルビー』と『トランスフォーマー/ビースト覚醒』を並べることで、ラジー賞の常連ではない新たなシリーズを築こうとしており、その意図を感じさせる演出が盛り込まれている。このようにして、シリーズを継続する姿勢が明確に示され、物語はそこに向かって突き進むため、テンポが良く、テーマが分かりやすく描かれている。こうした点がこれまでのシリーズとは異なり、単に戦闘だけを描いているわけではなく、映画としてのまとまりが臨場感に繋がり、面白さを引き出していると言える。本作は『トランスフォーマー』としての面白さが覚醒したものであり、映画『トランスフォーマー』シリーズ史上最高の傑作と言っても過言ではないだろう。(編集部 下村麻美)

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