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庵野秀明、「エヴァ」後に受けた『由美香』の衝撃を振り返る

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(左から)原一男、庵野秀明、平野勝之監督
(左から)原一男、庵野秀明、平野勝之監督

 24日、駿河台のアテネフランセで開講中のnew「CINEMA塾」内で映画『監督失格』が上映され、平野勝之監督と本作プロデューサーの庵野秀明がゲストとして出席した。

 自分をテーマとする「セルフドキュメンタリー」を手掛けた映像作家をゲストに招き、映画監督の原一男がトークを行う本講座。10回目を迎えたこの日は、庵野の実写初プロデュース作として2011年に公開された『監督失格』を上映。平野監督のかつての恋人だったAV女優・林由美香さんの遺体が発見された瞬間が生々しく映し出された本作について原も「今日は二人に聞きたいことがたくさんあります」と意気込む。

 監督作『ゆきゆきて、神軍』などで取材対象に鋭く切り込んできた原だけに、平野にも「(遺体に)カメラを向けようとは思わなかったの?」「カメラのスイッチを入れるのに自己嫌悪は?」など、容赦ない質問が。庵野も「いきなりそこからか。えぐってくるなぁ……」と感心することしきりだった。

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 続けて原は庵野に「AVをやってみたいという気持ちは?」と質問。テレビシリーズ「新世紀エヴァンゲリオン」を作り終えて気分が落ちていた時期に、平野監督の映画『由美香』を観て衝撃を受けたと切り出した庵野は「それから(AV監督の)カンパニー松尾さんとかバクシーシ山下さん、それから平野さんの作品を観て。『こんな世界があるのか』と驚いた。憧れの世界でしたね」と述懐。

 ちょうど「アニメ以外なら何でもやりたい時期だった」という庵野は、「AVをやってみたい」という気持ちが芽生えたことを認めつつも、「ただ、すごい人たちを見てしまったので、あれ以上のものは作れないと思った。結局、自分に向いているのはアニメだ」という結論にたどり着いたという。「僕が知っているAVの人は演出力とキャラクターがあり、自分をさらけ出せる人。AVなのに抜けないと言われながらも、商品として面白い。単にさらけ出すだけでは見苦しい。さらけ出し方にも技術やセンスが必要」。

 また、かつて平野からAV出演を打診されたこともあったという庵野は、「今は結婚しているんでやめときます」と笑いながら付け加えていた。(取材・文:壬生智裕)

new「CINEMA塾」はアテネフランセで毎月1回開催中

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