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その日暮らしの麻薬中毒患者を主役にした長編映画が話題に!

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左から、ジョシュ&ベニー・サフディー
左から、ジョシュ&ベニー・サフディー

 第52回ニューヨーク映画祭(N.Y.F.F 52)で、ヘロイン依存症のホームレスの女性を描いた話題の長編『ヘヴン・ノウズ・ホワット(原題) / Heaven Knows What』について、ベニー&ジョシュ・サフディー監督が語った。

 本作は、ニューヨークのホームレスの女性ハーレイ(アリエル・ホームズ)は、友人宅で暮らしながらヘロインに溺れる日々を送り、窃盗した物を売って暮らすイルヤ(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)と恋仲になるが、ドラッグ漬けの二人は先の見えない暮らしを続けていくというドラマ。

 主役を演じたアリエルとの出会いについてジョシュは「僕らはニューヨークの5番街と6番街の47丁目にあるダイヤモンド・ディストリクトを題材にした映画を製作しようと思っていた。そこで映画の下調べをしていたとき、地下鉄でアリエルに会ったんだ。彼女を映画内の宝石店で働くアシスタント役にしようと思って声をかけて連絡を交わし、その後食事をした。その時の彼女はまるでストリートキッドみたいな格好だった。しゃべりながら、よく首を縦に振ったり、自分の彼氏のことを、まるで僕が知っているかのようにしゃべっていた。そして今は住む家がなく、家族も居なくて、公衆便所で髪を洗っていると明かされたよ」と驚きの告白をされたそうだ。

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 そんな出会いから、製作への経緯についてジョシュは「僕らは今作とは別にハリウッドのスター俳優を使った予算の大きい作品を製作する予定だったが、思慮深い友人から、むしろアリエルの人生を基に描いた長編映画を作るよう勧められた。そこで、アリエルに事前に手数料を払い、彼女に自身の人生を記したものを書かせたんだ。彼女の文面は(物事に対して)直接的で、内容も映画に適し、最終的に106ページ分も書いてくれた。そして、僕と共同脚本家のロナルド・ブロンスタインがそれを長編作として脚色した」と答えた。

 ヘロイン依存症であるハーレイが友人にヘロインを叫んで要求するシーンが強烈だ。「あのシーンは、昼から撮影していたが、撮り終えた時は真っ暗になっていた。あのような強烈なシーンはこれまで僕らは撮ったことがなくて、友人を説得して彼女がヘロインを受け取るまでのテイクを20回も撮り直した」とベニーが語ったように、中毒症状に陥った女性の狂気が表現されている。

 映画は長編作だが、ドキュメンタリー調でつづられ、その日暮らしの薬物依存症患者の現実がわれわれの目に焼き付けられる。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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