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クリスチャン・ベイル主演のアメリカの闇を描いた新作を監督とケイシー・アフレックが語る!

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スコット・クーパー監督とケイシー・アフレック
スコット・クーパー監督とケイシー・アフレック

 映画『キラー・インサイド・ミー』のケイシー・アフレックが、新作『アウト・オブ・ザ・ファーネス(原題) / Out of the Furnace』について、スコット・クーパー監督と共に語った。

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 同作は、刑務所出所後に鉄鋼の町で製鉄作業員として働きながら病気の父親と暮らすラッセル(クリスチャン・ベイル)は、イラク戦争から帰還した弟ロドニー(ケイシー・アフレック)が犯罪組織に関わって失踪したことから、警察からの注意も無視してロドニーを捜索し始め、さまざまな問題に巻き込まれていくというドラマ。映画『クレイジー・ハート』のスコット・クーパーがメガホンを取った。

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 製作経緯についてスコット監督は「『クレイジー・ハート』後に多くの脚本が届いた。その中にレオナルド・ディカプリオとリドリー・スコットが企画していた作品があり、良質の脚本だったが監督したくはなかった。すると、彼らからこの脚本を基にオリジナル脚本を書いたらどうかと言われ、アメリカ経済の崩壊や、イラク戦争の帰還兵がPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患い実生活に復帰できないことを、米国内で起こる暴力を背景に描きたいと思った」と明かした。

 ペンシルバニア州ブラドックでの撮影について「僕はバージニア州の炭坑の町で育ったため、この町の世界観が理解できた。前作の宣伝ツアーで訪れたこの町の人々は、アメリカ経済不況の中でも、勇気やくじけぬ精神で町を離れずに居たことに感動したんだ。さらにこの町の風景と雰囲気も良く、この町にストーリーを設定すると、まるで実家に居る気持だった。最終的にこの町がある意味キャラクターになった」とスコット監督は語った。

 ロドニー役のケイシーは「兵士時代を含めて役柄の過去は映画では描かれないが、その部分が映画内で起きる出来事に影響があることはわかっていた。そこで僕は、退役軍人のドキュメンタリーを鑑賞したり、退役軍人と話したり、退役軍人のフォトエッセイを読み、戦地への出兵前と帰還後の写真の身体的な変化を比較したりもした。ベトナムとイラク戦争の退役軍人の話で共通しているのは、常時何かを懸念する状態からPTSDに陥り、不眠や神経衰弱、感情の起伏が激しかった点だ」と答え、リサーチが役に立ったようだ。

 映画は、刑務所から戻り普通の暮らしを望む兄と、戦争から帰還し実生活に対応できない弟が対照的で興味深い作品に仕上がっている。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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