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戦争の不条理とエロス…故・若松監督の遺伝子を引き継ぐ一作、公開へ

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映画『戦争と一人の女』より
映画『戦争と一人の女』より

 昭和の作家・坂口安吾の同名小説を映画化した『戦争と一人の女』が、2013年ゴールデンウイークに、テアトル新宿にて公開されることが決定した。故・若松孝二監督に師事した井上淳一監督がメガホンを取った本作には、NHKワンセグ2にて放映された「野田ともうします。」シリーズに主演した江口のりこのほか、永瀬正敏村上淳柄本明らが出演している。

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 メガホンを取った井上監督だけでなく、脚本を務めた荒井晴彦中野太、プロデューサーを務めた片嶋一貴と若松プロダクション出身者がそろう本作。刹那的にお互いの体を求め合う作家と元娼婦の呑み屋の女将、そして戦争で片腕を失い、戦場での精神的後遺症から山奥に女を連れ込み、犯し、殺し続ける帰還兵の三人を通して、戦争の不条理さを描く。江口が呑み屋の女将役、永瀬が坂口安吾自身を模した飲んだくれの作家役、村上が帰還兵役を務め、柄本は市井の下世話なオヤジを演じた。

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 製作陣には、若松プロダクション出身の井上監督、荒井、中野、片嶋のほか、撮影に『ヘヴンズ ストーリー』の鍋島淳裕、美術に『誰も知らない』の磯見俊裕、録音に『接吻』の臼井勝、さらに音楽に『東京公園』でメガホンと取った青山真治と実力派がそろった。

 井上監督は「これは戦争シーンのない戦争映画です。戦争は人間の命や体だけでなく、心さえも損ないます。若松孝二の遺伝子を受け継ぐ者として、それを描くことこそが、右傾化が懸念されるこの国で今最も必要だと確信しています」と胸を張る。「エロス」という視点から戦争の悲惨さを描き出す本作。今年8月に開催された第37回湯布院映画祭では、クロージング作品として上映され、荒井、江口、永瀬、村上、柄本、企画・統括の寺脇研が出席して舞台あいさつを実施。観客の拍手喝さいを得ていた。(編集部・島村幸恵)

映画『戦争と一人の女』は2013年ゴールデンウイークにテアトル新宿にて公開予定

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