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窪塚洋介、パリでの撮影を振り返り、「犬のうんこまで写真を撮りたくなるくらいおしゃれな街」と窪塚節!!

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窪塚節を炸裂させた窪塚洋介
窪塚節を炸裂させた窪塚洋介

 5日、シネマート六本木にて、ウェブ上の架空映画館「THEATRE TOKYO」のオープニング作品として上映された映画『UGLY』の完成披露試写会が行われ、主演の窪塚洋介ほか、桃生亜希子柿本ケンサク監督、原案と音楽を担当した本作の共同監督・半野喜弘監督が登壇。オールパリロケで撮影された本作について、窪塚は「パリは本当におしゃれな街で。落ちている犬のうんこまで、写真を撮りたくなるくらいおしゃれでした。築200年くらいの建物がほとんどで、街にパワーがあったので、それだけで(映画製作が)何とかなりそうな。だからそこに甘んじないように、柿本君に寄り掛かってやりました」と窪塚節を炸裂させた。

映画『UGLY』場面写真

 今年の8月24日よりウェブ上の架空映画館「THEATRE TOKYO」にて上映されていた本作。好評を受け、劇場版にブラッシュアップさせた完全版が、本物の映画館・渋谷のシネクイントにて上映されることとなった。壇上に登場した窪塚は、「3月10日にパリに着いて、11日、東日本大震災があったときに撮影していた映画です。やっと公開が迎えられてうれしく思っています」と感慨深い様子であいさつ。さらに柿本監督も、「今まで何本か映画を撮ってきましたけど、今回は初めてパッケージまで考えてやった作品です。映画を撮る前は子どもが生まれていなかったんですけど、今では子どもが生まれまして。そんな大事なときなのに、(自主制作なので)お金をたくさん使っちゃって。僕を貧乏まっしぐらにした作品がようやく公開されてうれしいです」と冗談まじりにあいさつすると、窪塚が「グチじゃん」とツッコミ。壇上の四人は気心の知れた仲間同士のような掛け合いを見せた。

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 柿本監督によると、本作をオープニング作品として上映した仮想映画館というコンセプトは、ミニシアターの閉館が相次いだ時期に思いついたそう。「こういう映画を作っても受け皿がない。同じように作りたいクリエーターがいても、お金のことで挫折したり、作っても流せなかったり。それでプロデューサーの湯川(篤毅)さんと相談して、劇場を作っちゃおうよという話になった。ある意味では、全国何百館もあるような作品よりも世界に開けた単館映画館というような気分で盛り上げて、テレビで流せないような意欲的な作品を流せる場所になれば」と自身が取り組んだ新しい“映画館”の形を力説した。

 そして最後に、窪塚は「(本作の撮影中に震災があったこともあり、)撮影から帰ってから、被災地に炊き出しに行きました。今はこういう状況になっていて、僕らがやれることは少ないですが、結局は僕らが得意なことをやることが、復興にもつながると思う。ただでさえ元気がなくなる時代と言っていいのかわからないですけど、半野さんは音楽で、僕らは芝居で、カッキー(柿本監督)が監督で集まった作品がどういうメッセージで届けられるか。僕はこう見えても30歳ですけど、何もできない若い日本人の代表という気持ちで映画を作ったので、この時間を楽しんでいただけたら」と呼び掛けた。

 『UGLY』は、兄弟の死の理由を探ろうとするカメラマン(窪塚)の葛藤(かっとう)を軸に、現代に生きる人々の等身大の生を描き出す。ホウ・シャオシェン監督の作品などに音楽を提供するエレクトロニカ・アーティストの半野喜弘が音楽を担当するほか、柿本と共同で監督、脚本も務める。(取材・文:壬生智裕)

映画『UGLY』はシネクイントにて12月10日から22日まで期間限定レイトショー

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