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原発に代わる自然エネルギーの提案映画『ミツバチの羽音と地球の回転』が連日立ち見の大盛況!レイトショーも緊急決定!

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祝島の人々が教えてくれること 映画『ミツバチの羽音と地球の回転』より
祝島の人々が教えてくれること 映画『ミツバチの羽音と地球の回転』より

 原発問題に注目が集まる中、原発に代わる自然エネルギーをテーマにした鎌仲ひとみ監督の映画『ミツバチの羽音と地球の回転』が、連日立ち見が出るほどの盛況ぶりを見せており、26日までの上映期間中、23日、25日、26日にレイトショーも追加されることが緊急決定した。

 1982年、祝島から真正面にある田ノ浦に、上関原発と名付けられた2基の原発の建設計画が持ち上がった。田ノ浦から祝島までは、直線距離で約3.5キロ。自分たちが暮らしてきた美しい自然を守るため、祝島の人々は、20年以上にわたって反対運動を行ってきた。そのほとんどが、70歳以上の高齢者たち。多くの村民が抗議の声を上げる中、上関町議会は埋め立てを認可した。「事故が起きたら、わたしたちはどう対処したらいいの? 何も聞いてない」という村のお婆ちゃんの声は、福島原発の事故が起きてしまった今、重くのしかかる。

 一方、座り込みで抗議を続ける村民に向かい、「今後の10年、20年先の繁栄を考えております。この原子力発電所を作ることによって、確実な雇用の場が生まれてまいります」という中国電力の職員。「皆さんが心配しておられるような、海が壊れることはぜったいにありません!」という呼びかけには、場内から失笑すら漏れた。反対運動をしている祝島の島民を、冷たい表情で無視し続けた上関町の職員、無責任すぎる“ご説明”を機械のように繰り返す経済産業省官僚たち。本作には、わたしたちが最近毎日のように目にする能面のような表情をした男たちが数多く登場する。機械のような口調で、「大丈夫です」と繰り返す男の姿は、まるでデジャヴのようだ。

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 広島、長崎の被爆者は約26万人、そのほとんどが原爆が爆発したときに現場におらず、その後内部被ばくした人々だ。だが、爆心地から2キロ圏外にいた彼らは被ばく手帳を持っているにもかかわらず、放射線由来のガンになっても、ほとんど医療保障を受けられないのが現実だ。いま、福島第一原発から、大量の放射性物質が放出されたことは明らかになっている。もしも今後、被ばくの症状が、自分の身に起こったとき、政府はなにをしてくれるのだろうか。能面のような男たちは、10年後、いまと同じように言うのだろう「原発との関係はありません。絶対に」。

 これまで原発は、多くの弱者に涙を流させてきた。そしていま、福島のひとたちが泣いている。福島原発は、福島のひとびとが使っている電気を作っているのではなく、関東のひとびとが使う電気を供給してきていた。なのに、彼らは、家を失い、土地を失い、仕事を奪われ、当たり前の健康すら奪われている。子どもを抱えた母親が、「どうすればいいのか」と詰め寄っても、能面のように無表情な男たちの裏側には、他人事のように生活しつづけ、無関心だった国民の姿も隠れているのではないだろうか。

 福島の人々が苦しむ姿を目の当たりにしたとき、心の中に「これから、わたしたちにできることは」という小さな思いが芽生えた人は少なくないはずだ。環境エネルギー政策研究所の調査によると、日本の自然エネルギーの可能性は大きく、太陽光発電の場合、単純計算では日本の土地の5パーセントで日本の全電力を賄うポテンシャルがあるという。日本は自然エネルギー資源に恵まれている国なのだ。だが、10電力会社が、戦後一貫して、発電、配電、送電を独占しているため、自然エネルギーの増加は阻まれてきた。原発のエネルギーを、自然の力で代替できるならどうだろうか。鎌仲監督は作品を通し、持続可能な社会を目指して地域自立型のエネルギー開発に取り組むスウェーデンの人々を照らし合わせながら、日本の原発重視の電力独占体制をどうすれば変えられるのかを描いている。それはきっと、美しい日本に住んでいるわたしたちへの、一筋の光となるだろう。問題意識を持ったならば、立ち上がるのは自分次第だ。本作のタイトルが語りかけているように、小さな羽音はやがて共振し合い、大きな力となっていくことだろう。(編集部:森田真帆)

 映画『ミツバチの羽音と地球の回転』は、渋谷ユーロスペースにて、26日まで上映中

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