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「男の方が賃金が高いのはなぜ?」女たちの闘い!ゴールデン・グローブ賞受賞女優サリー・ホーキンスが熱演!

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サリー・ホーキンス
サリー・ホーキンス

 映画『ハッピー・ゴー・ラッキー』(日本未公開)で、ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディ部門で主演女優賞を受賞したサリー・ホーキンスが、新作『メイド・イン・ダゲナム / Made in Dagenham』(原題)について語った。

 同作は、1968年のイギリスのフォード自動車工場で働いていたリタ(サリー・ホーキンス)が、男性優位の労働条件の格差に抗議することを決意し、同じ仕事場の女性たちと共に立ち上がる。そしてその運動は、徐々に全英中の女性労働者たちを奮い起こす大きな運動になっていく……。これは、男女平等賃金を目指した女性たちの闘いを描いた実話の作品で、映画『カレンダー・ガールズ』でメガホンを取ったナイジェル・コールが監督を務めている。

 自身が演じた役リタについて、サリーは「私が演じたリタという人物は実在しないけれど、この役は当時フォードで実際に働き、男性優位の労働条件に抗議した数人の女性(実際に抗議した女性の数はもっといる)たちを、一つのキャラクターとしてまとめた役になっているの」と明かした。さらに「ただリサーチの過程では、現在もイギリスのダゲナムに住んでいる当時のフォードの女性たち3人に会って、直接話を聞くことができたわ。彼らは、今でも友達付き合いをしていて、そんな友情関係が、当時でも労働条件の抗議運動の支えであったことが理解できたの」と語ったように、彼らとの会話を通して、役柄をつかんだようだ。ちなみに、当時イギリスのダゲナムのフォード自動車工場で働いていた人たちは約5,500人で、そのうち女性は187人であった。

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 キャラクターの一つと化しているフォードの工場については「ウェールズにあるフーヴァー・ファクトリー(掃除機などを製造しているザ・フーヴァー・カンパニーの工場)で撮影されたの。ダゲナムにあるフォードの自動車工場は、あれからスポーツウェアなどを作っている工場に変わっていたんだけれど、その工場もこの経済状況で、現在は閉鎖されていて使えなくなっているわ」と語ったが、当時の労働環境がこの工場で見事に描き出されている。

 また、実在したイギリスの女性政治家バーバラ・キャスルを演じたミランダ・リチャードソンや、フォードで働く夫を持つ普通の専業主婦を演じたロザムンド・パイクなどの演技派の女優陣との共演について「映画界も、これまでの男性中心の映画界ではなくなってきていて、この映画でも周りを見渡すと素晴らしい女優ばかりで、それだけで何となく感動的だったわ」と素晴らしい環境下で演じられたようだ。

 ラジオ番組でライターをしていた経験のあるサリーは、監督ナイジェルの演出の際に即興的なアイデアを提案したことがあるのかとの質問に「同じ即興でも、脚本なしのマイク・リーのように一から作り上げていく形ではなくて、あくまで脚本上での一貫性が持てる状態での即興はあったの。だから、監督のナイジェルはどの俳優たちの即興にもオープンで、作品に新たにドキュメンタリー的な息吹を吹き込むことができたわ」と答えた。

 実在したフォードの女性たちをローマ国際映画祭の試写に招いたときに、彼らの評価がかなり良かったようだ。映画は、男女平等賃金を目指した女性だけでなく、専業主婦から女性政治家まで、あらゆる当時の女性が描かれていて、女性の主張を見事に描いた映画に仕上がっている。(取材・文:細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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