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ディカプリオ主演作で過去最高!『インセプション』が圧倒的勝利!観客の73パーセントは34歳以下の若い層-7月19日版

全米ボックスオフィス考

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映画『インセプション』より
映画『インセプション』より - (C) 2010 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.

 クリストファー・ノーラン監督が、映画『ダークナイト』に続いて再び大ヒット作品を放った。それは、3,792上映館・推定7,100スクリーンで封切られ6,280万ドル(約56億5,200万円)をたたき出したレオナルド・ディカプリオ主演の映画『インセプション』である。ディカプリオにとってもこの映画はデビュー週末の成績としては、映画『シャッター アイランド』をしのいでおり、ディカプリオが主演を務めた過去の映画の中では最高の出だしとなった。(1ドル90円計算)

映画『インセプション』写真ギャラリー

 SFというジャンルは、時として難解で観客を遠ざけてしまうことがあるが、『インセプション』に関しては奇抜なストーリー性を強調し、CMでもアッと驚くようなカフェでの爆発シーンを見せるなどして画像のすごさを前面に出したPR作戦を展開し、観客の関心をそそることに成功したようだ。その結果、デビュー週末に7,700万ドル(約69億3,000万円)を記録し、SFジャンルの中でデビュー週末の売り上げにおいて歴代1位の映画『アバター』に続く大ヒットとなった(続編・リメイク作品は除く)。また、過去の人気SFアクション映画『マトリックス』『マイノリティ・リポート』のデビュー週末の観客数を超えている。

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 ちなみに、観客数でも勝っているという記述を妙に思った方がいるかもしれない。これは、例えば新作と過去の類似作品を比較したときに新作が興行収入において勝っていたとしても、イコール新作が過去の作品よりも観客数で勝っているとは限らないのである。なぜなら過去と現代のチケット代を比べると現代のチケット代の方がはるかに高いことから、新作の興行収入が過去の作品を上回るのはある程度容易なことなのだ(もちろん、それでも過去の作品を抜けないリメイクなどの新作もかなりあるわけだが……)。というわけで、新作の方が興行収入の数字では勝っていても、観客数では過去の作品に負けているということもよくある。よって、収入でも勝り、観客数でも勝っているというのはかなり優秀な結果なのだ。

 また、『インセプション』配給のワーナー・ブラザーズの調べによると、映画を観に来ていた観客のうち、56パーセントは男性で、73パーセントは34歳以下という数値が発表されている。

 今週の第2位は、先週のトップからダウンした『怪盗グルーの月泥棒 3D』で3,280万ドル(約29億5,200万円)。ワンランクダウンとはいえ、同作品は封切り後10日間ですでに大台の1億ドル(約90億円)を超えて1億1,840万ドル(約106億5,600万円)の売り上げを記録しており、この夏のライバル映画『エアベンダー』の封切り後18日間で1億1,514万ドル(約103億6,260円)という記録を超えている。

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 第3位は、3,504館・推定4,800スクリーンで大型ロードショーとして公開されたニコラス・ケイジ主演の映画『魔法使いの弟子』で1,762万ドル(約15億8,580万円)。通常の金曜日よりもひと足早い水曜日から公開だったのだが、5日間の興行収入が2,471万ドル(約22億2,390万円)と今ひとつ成績がふるわなかった。今年の夏は、ジェリー・ブラッカイマー作品にツキがなく、彼にとって映画『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』に次いで、この夏2作目の赤点ということになる。

 第4位は、映画『エクリプス/トワイライト・サーガ』で1,342万ドル(約12億780万円)の成績。公開後19日目にして2億6,480万ドル(約238億3,200万円)を記録した同作品は、公開19日目に2億5,747万ドル(約231億7,230万円)を記録していた前作の映画『ニュームーン/トワイライト・サーガ』の記録を抜いたことになり、短い間に立て続けに公開されたシリーズものにしてはかなり優秀なパフォーマンスを見せている。

 第5位は、公開5週目で上映館が576館減ったにもかかわらずまだまだ頑張っている映画『トイ・ストーリー3』。今週は1,200万ドル(約10億8,000万円)を記録して、総合興行収入を3億6,297万ドル(約326億6,730万円)まで押し上げた。これで同作品は、歴代の一番売れた映画の第15位にランクインした。

 次回ランクインが予想される今週末公開の話題映画だが、珍しくたったの1本しかない。アンジェリーナ・ジョリーが、女スパイとして追われるCIAエージェントを熱演するアクション・サスペンス映画『ソルト』だ。果たして、ディカプリオの『インセプション』がトップをキープするか、はたまたアンジーの女スパイがトップになるか……こうご期待! (文・取材: 神津明美/Akemi Kohzu)

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