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ビヨンセも出演!伝説的レコード・レーベルを描く話題作!

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エイドリアン・ブロディとジェフリー・ライト
エイドリアン・ブロディとジェフリー・ライト - Photo:Nobuhiro Hosoki

 映画『戦場のピアニスト』でオスカーを受賞したエイドリアン・ブロディジェフリー・ライトが、新作映画『キャデラック・レコード』(原題)について、ニューヨークの記者会見で語ってくれた。本作は、ブルース系、R&B系のレコード・レーベルのチェス・レコード創始者レナード・チェス(エイドリアン)を中心に、レナードが世に送りだしたアーティスト、チャック・ベリー、エタ・ジェイムズ、マディ・ウォーターズ(ジェフリー)たちがもたらした音楽界への功績を描いている。エタをビヨンセ・ノウルズが演じていることで話題だ。

 実在した人物マディについてジェフリーは「マディは、何もない状態からスタートした人なんだ。ろくに自由もなく、奴隷のような扱いを受けていた少年時代から、逆境を乗り越えて、何とか曲を作り上げてきたんだ。ヒーローと呼べるアーティストだと思うね」と力強く語ってくれた。

 エイドリアンは、チェス・レコードから誕生した曲を聴いたことがあるのだろうか。「ニューヨークのクイーンズで育ったおれは、かなりヒップホップとのかかわり合いが多かったから、チェス・レコードの曲は聴いていなかったよ。だが、ミュージシャンの卵の友だちが、ブルースを教えてくれてね。それから興味を持ちだしたんだよ。おれの趣味は作曲なんだ。電車の走る音やドアのきしむ音、あるいは車のクラクションなどの音を取り込んだ音楽さ。この街自体が、おれには個性的な音楽に感じるときがあるくらいだよ」と音楽に対する興味は強く感じられた。

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 時代背景とともに変化していく音楽についてジェフリーは「1960年代に自由を再定義するような形でロックが登場し、1980年代後半のベルリンの壁の崩壊が起きたときでさえも、スピーカーからロックの曲がガンガン流れていたよね。あそこで表現された自由とは、アメリカが本来持っていたルーツからきていると思うんだ。チェス・レコードのアーティストたちが、社会的や経済的に恵まれない、一種の奴隷のような環境から自由を求めて歌ったところから始まっているんだよ。だから、今も彼らの曲が受け入れられるのは、偶然ではなく、そういったルーツがあるからこそなんだ!」とチェス・レコードのアーティストたちが、後のロックに多大な影響をもたらしたことを熱く語ってくれた。

 この作品は、普段ブルース系やR&B系の曲に興味のない人でも、音楽界の歴史という意味で、別の角度から注目してみてはどうだろうか? この映画は、12月5日からアメリカで公開される。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

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